メニュー１３ 「オレンジジュース」 ページ15
飯田side
「よし！全員来ているな！？…っおい上鳴君！早く席に着かないかっ！！」
僕は今日も学級委員長の役目を果たすべく、指揮を執る。
「はーい飯田〜！Aがまだ来てないよ〜？」
「何っ！？それは本当か芦戸君！」
落ち着いて教室を見まわすと、藍色の髪の片心君は本当に来ていないようだった。
彼女は、行動こそ遅くても遅刻はしたことが無い筈だ。今日はどうしたのだろうか。
「……っは、危ない…あと五分でチャイム鳴るところだった…。」
ガラっと扉を勢いよく開けて、教室に流れ込んで来たのは片心君だった。
…よかった、ヴィラン絡みじゃなくて。
片心君をよく見てみると、右手に何かを握っていた。あれは…缶ジュース？
「そうだ、天哉くん。渡したいものがあるの……っは、息切れヤバスｗｗ」
どうしたんだ片心君、語尾が可笑しなことになってるんだが…？
酸素が頭に回ってないから思考回路が停止しているのだろう。
「え、Aが飯田に渡したいもの…？」
「え〜！？なになに、告白！？」
「ちょ、ここでするとかふざけんなよ！空しくなるだろ！」
教室がざわつき始めた。
鈍感、真面目。そう言われてきた僕でも分かる。これは告白ではない。
……挑戦状だ(違います)
「…くくく…はっはっは！！挑戦なら喜んで受けてやるぞ！」
「「「何言ってんだ飯田」」」
「…いや、告白でも挑戦でもないんだけど……。あのさ、天哉くんって原動力がオレンジジュースな訳じゃん」
「別に原動力は普通の人間だけどな？」
「細かいことはいいんだよ。それで、今日、学校来る前に自販機でお茶買おうと思ったら間違えて１００パーのオレンジジュース買っちゃったの。だから…はい」
片心君はそう言って手に持っていた缶ジュース…もといオレンジジュースを差しだしてきた。
…お礼。片心君はサイダー系を飲めるだろうか？
「お礼…というか、実は俺も間違えて買ってしまった物があるんだ。」
僕は鞄の中に入っていたペットボトルを取り出す。
「サイダーのオレンジジュースだ。受け取ってくれ」
((((ま、真面目やー…))))
「あ、有難う。サイダー系は好きなんだ…！」
少しだけ嬉しそうな顔をした片心君は、シュッとキャップを開けて飲み始めた。
「んっ……んっ……ぷはっ、美味しい」
「それは良かった。１００％オレンジジュースも美味しく頂こう」
僕達が話している間にチャイムが鳴り、相澤先生に怒られたのは言うまでもないだろう。
メニュー１４ 「ショートケーキ」→←メニュー１２ 「たこ焼き」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真裏(プロフ) - 納豆さん» さんきゅー！！新作どっちも頑張ります（笑） (2017年10月9日 18時) (
レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
納豆(プロフ) - お疲れ様でした！新作頑張ってね(●´ω｀●) (2017年10月9日 9時) (レス) id: c8bcc7c146 (このIDを非表示/違反報告)
真裏(プロフ) - フユキさん» カッコいいですよね！！私も曲を聞きながら絵を描いていると不思議と雰囲気が重なっていきます（笑） (2017年10月7日 12時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
フユキ(プロフ) - フィクサー！！私も好きです！轟くん描きながら聴いてたら轟くんにゴスロリ着せてたっていう不思議体験しました！ (2017年10月7日 3時) (レス) id: 3b75a384a9 (このIDを非表示/違反報告)
牙夢(プロフ) - 真裏さん» おお！楽しみにしています！ (2017年9月22日 21時) (レス) id: 821d451e2a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真裏 | 作成日時：2017年8月18日 18時
