メニュー１ 「卵焼き」 ページ2
緑谷side
同じクラスの片心Aさんは拒食症だ。固形の物を食べたがらない。
流石に何も口にしないと倒れるため、代わりに、いつも飲めるゼリーを持ち歩いている。
調度、今は昼休み。昼食を摂る時間。
「へ、片心さん……っ！！」
…あれ？僕、知らない間に……片心さんのこと呼んでる！？
大声出して…片心さんビックリしてる。悪いことしちゃったな…。
「うぇい、どうしたの出久くん。」
うぇいという謎の言葉を発しながら無表情で片心さんはこっちを向いた。
「え…え〜っと……い、一緒にご飯食べませんか？」
うわああああああ！僕何してるんだろ…。初対面に近いのに…絶対変な人だと思われた
しかも女の子を何かに誘うなんて初めてで声震えちゃってる。
「…ん、良いけど、私お弁当は食べないよ。見てるだけ」
「逆にそれでもいいんですか…でも、ちゃんと食べた方がいいですよ」
「そうだよね……努力はしてるんだけど」
あ、なんかしんみりしちゃった…申し訳ない。
「ふふ、出久くんがしょんぼりしてる顔って可愛い」
貶されてる？褒められてる？少し微妙な心境。
片心さんは、表情を出すのが苦手なのかな？顔が笑ってない。
「う〜ん…そうかな？」
(どうしたら笑ってくれるんだろう)
僕はお弁当の包みを解いた。
普段は食堂で食べるんだけど、今日は早く起きたから暇で作った。
「それ、自分で作ったの？」
「うん。味見してないから美味しいかどうかは別なんだけどね」
「いいや、美味しそうだよ。出久くんはいいお嫁さんになる。ウチに嫁いできて」
あ、結構くだけた性格なんだ。可愛いなぁ。
弁当箱の中から比較的上手にできた卵焼きを一切れ取って、口へ運ぶ。
「ん…っあ！結構おいしいかも……あの、片心さん、食べてみる？」
自画自賛ではあるけれど、この味はなかなか。ふわふわの卵になっているし。
食べて、くれるかなぁ…。
「…うん」
片心さんは首を縦に振った。
「さっき、出久くんに食べた方がいいって」
「無理しなくていいんだよっ！？」
「ううん、最近体調が優れなくて。それで家でも食べてみたんだけど…受け付けなくて」
片心さんの手は固く握られていた。
＿＿＿食事に関しては全く分からないけど、大変なのかな…。
「…じゃあ、はい。無理だったら言ってね」
流石に間接キスは不味いだろってことで、箸の反対側で卵焼きを挟んで、彼女の口の前まで差しだす。
「……出久くんっ…ごめん、無理だった…。」
そう一言残すと片心さんは教室を飛び出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
【ヒロアカ】血に染まりし薬少女は、ヒーローになれるか:Vol.9【1年B組】
転生したら、志村家の末っ子でした【5】【ヒロアカ】
【僕のヒーローアカデミア】檻の女は多分ヒーロー【女主】Part6
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真裏(プロフ) - 納豆さん» さんきゅー！！新作どっちも頑張ります（笑） (2017年10月9日 18時) (
レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
納豆(プロフ) - お疲れ様でした！新作頑張ってね(●´ω｀●) (2017年10月9日 9時) (レス) id: c8bcc7c146 (このIDを非表示/違反報告)
真裏(プロフ) - フユキさん» カッコいいですよね！！私も曲を聞きながら絵を描いていると不思議と雰囲気が重なっていきます（笑） (2017年10月7日 12時) (レス) id: a0b96c91a2 (このIDを非表示/違反報告)
フユキ(プロフ) - フィクサー！！私も好きです！轟くん描きながら聴いてたら轟くんにゴスロリ着せてたっていう不思議体験しました！ (2017年10月7日 3時) (レス) id: 3b75a384a9 (このIDを非表示/違反報告)
牙夢(プロフ) - 真裏さん» おお！楽しみにしています！ (2017年9月22日 21時) (レス) id: 821d451e2a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真裏 | 作成日時：2017年8月18日 18時
