Zionの花束を 5 (ページ22)

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流転する過程5 ページ22

だが、それとピアノを習わせることは関係ない。まあ、倅がやめたいというのなら、止めるつもりはないが。
走り書きの紙をぺらりと手に取る。裏側は学校からの便りだった。今度、授業参観があるらしい。
そういえば、倅のことは妻に任せきりで、学校に顔を出したことは一度もない。これは何かの催促だろうか。
何はともあれ、妻とは近く話さなくてはならないだろう。
スパークリングワインを傾ける。自分に妻の誤解を解くことができるだろうか。
口下手なのは自覚している。だからこそ不安なのだ。もし、話し合いに失敗すれば、自分が思いを上手く伝えられなければ、もしかしたら、最悪の事態になるかもしれない。
……とはいえ、自分にとって、何が最悪の事態なのかもいまいちわかっていないのだが。
うーん、と首を捻りつつ、グラスを干し、もう寝ることにした。

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