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怪しい雲行き2 ページ2
穏やかじゃない、程度で表せる惨状ではなかった。
椅子がいくつか倒れている。椅子だけではない、テーブルもだ。脚が折れるなどの被害はないものの、乗せていた花瓶が割れ、ガラスが危ないわ、水浸しだわ、と随分な状況である。
殴り合った証拠に、二人共、頬を腫らしていたし、息が上がっていた。突然の闖入者である顎髭に向ける目も鋭い。
おお、怖い、とその迫力がある眼力に実のところちっとも怯えていないかのように肩を竦める顎髭。この惨状の中を、つかつか進んでいく。
「なんだよ、おっさん」
「おっさんとはひどいな。私はまだ四十だよ」
「充分おっさんじゃねぇか」
ベースの指摘にガラスのハートに罅が入ったなどというが、果たしてどこまで本当なのやら。おどけるのも程々に、顎髭は本題に入った。
「ひどい荒れようだ。何があったのかね?」
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作者名：九JACK | 作成日時：2019年6月28日 22時
