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みっともない話6 ページ1
顎髭の提案を半分に聞き流しながら、眼鏡はウイスキーを啜る。
今日はピアニストがずっとソロを弾いている。青年は店にかなり慣れてきたようで、譜面もないのに次から次へと鍵盤から音楽を紡ぎ出す。鍵盤の上を跳ねて回る指はさながらダンスをしているようで、のびのびとして楽しそうな演奏は、音楽に造詣のない人でも楽しめるものとなっているだろう。
あのピアニストの青年は才能がある。いつか、眼鏡が勤めるコンサートホールで演奏会を開くレベルのピアニストになるであろう。
そう思って、眼鏡は青年に様々なオファーを持ちかけているのだが、Zionのあのピアノをいたく気にいっているらしく、しばらくZionから離れたくない、と言っていた。
大して特別なピアノでないはずだが……まあ、過去にもこんな歯牙ないバーから世界に飛び立った人材もいるので、その姿を青年は幻視しているのかもしれない。
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作者名:九JACK | 作成日時:2019年6月19日 22時