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「きっくん！！」
叫んで、彼の元へ駆け寄る。鞄はそうでもないとはいえ、肩に担いだギターは重くて、ガタガタと揺れる。けど、そんなこと気にしていられない。
女の子の頭を掴んでいた手に、縋り付くように飛びついた。
「きっくん、帰ろ」
袖を引く。きっくんがこちらを向いた。
「離して」
「やだ」
「なんで」
「何でも」
「俺の言うこと聞いて」
「やだ」
「聞いて」
「聞かない」
「聞けって言ってんだろ！！」
「聞かないって言ってんの！！！」
だだっ広い教室に、わぁん、と音が木霊する。時計の音がする。かちん、かちん、と一定のリズムで、静かに針が鳴る。今は何時だろう。もうすぐ先生が来てしまう。
「きっくん、だめだよ。これ以上は、だめ」
「なんで？ お前、さっきまで泣いてたの忘れたわけ」
「泣いてた…けど、だめ。こういうことするのは本当にゆるさない」
きっくんの目が、ゆらりと揺れる。
そこには何も写っていない。
「……お前、こいつらの味方すんの」
「違うよ」
「だってそうだろ。意味わかんねえ陰口叩かれて泣いてたくせに、だめとかさ。
大丈夫だって！絶対迷惑かけねえし、悪いのは十割十分こいつらだし、センセーだって話しゃわかってくれるって、」
「違う！！」
笑ったきっくんに被せるようにして叫んだ。声が裏返ってしまったから結構恥ずかしいけど、その声に、多少なりとも彼は驚いたらしい。ひまわりみたいな色の丸い目が、幼げに見えた。
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やつがれ先輩(プロフ) - �擦気�» 初めまして。コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです！もっと楽しめる作品になるように精進します…。 (2017年8月25日 0時) (
レス) id: f68a99e668 (このIDを非表示/違反報告)
��(プロフ) - 貴方の文章から滲み出る雰囲気とか、独特の世界と言いますか、なんと言いますかすごい好きです。ひっそりと見てます……！ (2017年8月15日 0時) (レス) id: 97e51543ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やつがれ先輩 | 作成日時：2015年12月20日 1時
