レトルト『砂上のループにひれ伏す』パロディ作品 ページ12
…砂が全て落ちれば飲み頃でございますと告げて店員が去る。ハーブティーなんて普段そう注文しないのだが、彼女が好きだから合わせて頼んだらそこそこ手間がかかるものであるらしいことを知った。
とはいえ、Aと会話をして待つには短い時間。片想いし続けてきた彼女を見つめるのが照れくさくて、洒落た瓢箪みたいなガラスの中を落ちていくクリーム色の砂をひたすら見つめる。
砂が落ちる時間の分だけ、自分も周囲の人々も年を取ってゆくはずなのだがなんだかそうは思えない。
むしろ、砂の動きと共に時間を遡行しているような。
「…なぁ、これなんかおかしない？」
「何が？」
時計の見事なくびれから上の時間が増える程に、人生の空白が戻ってくるような。
「ねぇレトルト、真空ってなんだろうね」
Aが呟いた。
「空気ないってことと違うの？」
「…それもそうだけど、本当の真空ってどういうことかなって」
テーブルの端のトレーに乗ったミルクピッチャーを手に取る。これにミルクが入っていないからといっても、この中は真空という訳ではない。
「真の空ってなんだろうね。私たちがいない宇宙ってことなのかな」
「わからんわ。俺バカやもん」
「知ってたよ。れとくんおばかさんだから」
急に冷えた声に戸惑って周りを見れば、どの客のテーブルにも砂時計が置かれ色とりどりの砂が落ち続けていることに気づいた。赤、紫、水色、灰色。時間の満艦飾。どの客もどんどん若返る。幼児になる。乳児になる。胎児になり胚になる。そして店員の手があらわれて砂時計を
________計時砂てれわらあが手の員店てしそ。るなに胚りなに児胎。るなに児乳。るなに児幼。る返若んどんども客のど。飾艦満の間時。色灰、色水、紫、赤
砂上のループにひれ伏す
(時間も想いもハーブティーも例外はない)
えおえお『頑張ってる君へのスポイル』甘→←FB777『嘘も方便』切恋
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やつがれ先輩(プロフ) - �擦気�» 初めまして。コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです！もっと楽しめる作品になるように精進します…。 (2017年8月25日 0時) (
レス) id: f68a99e668 (このIDを非表示/違反報告)
��(プロフ) - 貴方の文章から滲み出る雰囲気とか、独特の世界と言いますか、なんと言いますかすごい好きです。ひっそりと見てます……！ (2017年8月15日 0時) (レス) id: 97e51543ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やつがれ先輩 | 作成日時：2015年12月20日 1時
