mssp 『白痴 in 箱庭』 シリアス ページ2
私は、MSSPと仲良しだ。
四ヶ月前には、ふぶくんと遊園地に行って、大きいパフェを半分こにして食べた。
三ヶ月前には、きっくんとカラオケに行って、帰り道の楽器屋さんでギターを試し弾きしているのを聞かせてもらった。
二ヶ月前には、あろまと京都に何泊かして、何日もかけて写真をたくさん撮った。
一ヶ月前には、えおえおの家に招待してもらって、ご飯を食べたりゲームをした。
小さい頃からずっと仲が良くて、今でもたまに遊びに行く。
それが楽しくて、楽しくて。
「今日はどうですか？」
白い服のお兄さんが、優しく笑って私に問う。
「んー、今日はみんなのライブに行くの。招待してくれたんだよ。その後はふぶくんちでゲームしようって」
「…そうですか。それは楽しみですね」
「でしょー？おにーさんも行く？」
「いえ、残念ですが、私は遠慮しておきますよ」
「なんだ、つまんなーい」
「すみません。仕事が忙しくて」
元気そうで何よりでしたよ。では、と告げてお兄さんが出て行く。ばたん、と閉まる扉。また部屋が静かになってから、うぅーん、と頭を抱えた。
ライブ会場、どんな所がいいかなぁ。
都会の真ん中だと、人が多くなって大変だからなぁ。
…海に囲まれた離島とか、ロマンチックかな。
よし、そこにしよう。
「ふふ、らいぶたのしみだなぁ」
さらさら
私は、目の前の青く塗られた箱に、砂を流し込んだ。
+++++++
「…うちの子は？」
「ええ、いつも通りです」
「いつも通り、だと…？アンタら、本当に娘を治す気があんのか！？」
「…申し訳御座いません、旦那様。…しかし、あれだけ重度の症状ですと、どうしても時間が必要で…」
「ふざけるな！！あの事故からもう一年も経ったんだぞ！？」
「まだ、ですよ。精神障害には、どうしても治療に時間がかかってしまいますから、本人と向き合って、ゆっくり治すしかありません」
「……先生、お願いします…。ッ、うちの娘を、…ッ助けてください…」
「…ええ、お任せください」
白痴in箱庭
(あしたわ、どこえいこうか？)
つわはす『羊水の底』 パロディ作品→←(必読)リクエストなどについて
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やつがれ先輩(プロフ) - �擦気�» 初めまして。コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです！もっと楽しめる作品になるように精進します…。 (2017年8月25日 0時) (
レス) id: f68a99e668 (このIDを非表示/違反報告)
��(プロフ) - 貴方の文章から滲み出る雰囲気とか、独特の世界と言いますか、なんと言いますかすごい好きです。ひっそりと見てます……！ (2017年8月15日 0時) (レス) id: 97e51543ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やつがれ先輩 | 作成日時：2015年12月20日 1時
