Chapter9 ページ10
...一応デスゲームだというのに、デスゲームで寧ろ健康になれるとは、今までどんな食生活を送ってきたのだろうか...心配でしかない
「チエさん...」
「はあ...デスゲームで健康になれるなんて、本当にお前は変わった奴だな」
「...同感ですね」
「あっ！」
今度はなんだと、声の主、森リンタロウさんの方を見ると彼は冷蔵庫を開けて、彼の姉であるミサキさんに向って
「卵があるよ！姉さん、卵焼き作ってくれない？」
「うん、いいよ！」
とミサキさんも言った
.......
自分が可笑しいのだろうか
「ほぉ...姉が弟に作る卵焼きですか...なんだか家庭的でいいですね...是非私にも食べさせてください！」
「勿論良いよ♪姉さんの作る卵焼きは絶品だからね」
「リ、リンタロウくん優しい...」
「ふん、俺だってさっき貴様に食い物を食べさせてやっただろう」
「あれが優しさじゃないのは流石の私でも気が付きます...」
...自分も何か食べるべきか
流石に探索も疲れたものだし、腹が減っては戦はできぬ、だ
「...Aも何か作るのか？」
そう思い冷蔵庫を見ていると、隣から声をかけられる...新村さんだ
「何か無いかな...と」
そう返事すると、彼は台所にある鍋を指差し
「ならば、あれを食べてくれないか...流石に残ったものを捨てる訳にもいかないからな」
......残飯処理しろ、ということか
しかし腹は正直だ、有り難く受け取るべきか
「それだけだ...じゃあ、俺はもう行く...あ、おい...棚に入ってる『うどん』は全て俺のものだからな...食べたら承知しないぞ」
それだけ言うと、彼は颯爽とここを後にしていった
...効率的な人だと思っとこう
「行っちゃったね...」
「なんて我儘な人...性格が根本からねじ曲がってますね...可哀想に...」
...取り敢えず残ったうどんはしっかりいただくことにした、...大変悔しいですが美味でした
それから自分達は、手分けして学園の内外を探索したが...分かったのは、この学園がどこか無人島に建てられた場所だということ...そして、ウルフ達が言ってた通り、脱出の手段は無さそうだという事実だった
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作者名：Snow | 作成日時：2021年7月5日 22時
