いつか私のところに戻ってくれば良いだなんて

7話 ページ8

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だから私は前世の私が大嫌いだったであろう女に成り下がっている。従属する部下のような弱い女に自分からなっていっている。誰かの支えがなければ立てないようなそんなおんぶにだっこ状態の情けない女。もう私は手遅れなのかもしれない。宿り木のような存在である男に抱.かれることであぁ今回も私のところへ戻ってきた、大丈夫、私は死なないと心から安堵できるのだ。もう私はこの環境にどっぷりと浸かってしまっていた。泥沼のような汚い関係から抜け出せない。対して顔の整っていない男にキ.スをされても不快に思えど拒むことなんてしたことがない。彼のつまらない自慢話に笑顔で相槌をうち、頼まれたことは何でもこなし彼の全てを肯定した。そうすれば彼は気分を良くするからまた私の元へと戻って来る。行かないでと癇癪を起こす間女よりも常に自分を受け入れる楽な私を選ぶ。もう私は疲れていたのだ。別れる度に透けていく住民票を見るのも嫌だったし、甘い愛の言葉を囁いては興味のない誰かをおとして恋人になるのも億劫になっていた。いつかはこの男との関係に終わりが来ることも知っている。女の武器は外見の美しさであるのにそれは無慈悲にも老いることで価値を失う。男は年老いてもある程度性 欲があると言うがシワシワの私を抱.こうとは思わないだろう。それくらい想像がつく。だから老人になった時どうやって生きようかと考えなければならないのにもう考える気力さえ湧いてこない。疲れた、疲れた。打算的な考えに脳を働かせるのはもう疲れた。今はこの慣れきった生活に身を任せたい。だから自分と言う規格外の存在を嘘で塗り固められた、かろうじて繋がっている鎖でこの世に縛りつける。

そんな私ももうすぐ高校3年生だ。男との関係は今も尚続いていて実に約1年半以上の時を刻んだ。この世界に来てからこんなに長く付き合ったのは初めてだ。だからと言って感慨深く感じるほど清い関係ではないのだが。

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