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31話 ページ32



あぁ、私この人が好きだ。悪役とか物語の重要人物と関わりたくないだとか、いつかは主人公達によって捕まってしまうか殺されてしまう人かもしれないだとか、もうそんなのどうでも良い。好きな気持ちは気づいてしまえばもう止められない。

すぐに駆けつけてくれるところも、案外積極的なところも、スマートにエスコートしてくれる紳士なところも、私の話を真剣に聞いてくれる優しいところも、仕草もその容姿も何もかもが好きだ。

「ポアロには近づくな」

彼なりの優しさが伝えられる。勿論私はそれに応じる。自分から態々近づくものか。

『うん、絶対近づかない』

そう言うと彼は私の頭をサラッと撫でた。私はこの手も大好きだ。

何人もの人を殺めたであろう手が私の頭に触れている。汚いなど感じるはずがなく寧ろそんな手が優しい手つきで頭を撫でていると思うと優越感を感じてしまいそうだ。私は随分と感覚が狂っているらしい。

「何も聞かねぇのか?」

ポアロの目の前に止めてあったお馴染みのポルシェに乗り込みハンドルを握ったまま彼がそう聞く。表情は長い銀髪に隠れて見えなかった。

『興味はあるけど、聞かない方が良いんでしょう?』

「いや、お前なら問題ない」

そう言って私の瞳をジッと覗き込んだ後、彼はポツリポツリと話を始めた。

話の内容は大方私が知っていることだった。

犯罪組織に加入していること、そしてその組織の大幹部であること、組織の仕事内容には殺しも含まれるということ、自分は殺した人の顔や名前も思い出せないほど殺人を犯していると言うこと、本当なら組織の情報は外部に漏らしてはいけないということ、それでも私に話すのを止められなかったということ。

色々な話を聞いた。動き続ける彼の薄い唇が動きを止めるまでジッと話を聞いていた。

『そう』

ただそれだけ言うと彼は愉快そうに笑った。

「ククッ、そうだな。お前はそうだった」

至極面白いというように遂には片手で腹を抑えて笑い出した。運転中だから危ないのだけれど。

『私が怖がると思った?』

「いや?だが何かしらの反応はすると思った」

『例えば?』

「面倒そうに顔を歪めるとかだな」

1分ほど時間を割いて彼は真面目に考えれば、出たのはそんな言葉だった。

面倒そうに顔を歪める、私は面倒くさがりやだから。彼はそんな私のことを理解してきたのだろうか。

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夢子(プロフ) - 続き待ってます!更新頑張ってください (5月11日 8時) (レス) @page32 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (5月5日 14時) (レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
honoka - 続きが楽しみです❤応援しています! (2023年4月2日 10時) (レス) @page32 id: 31959a78cc (このIDを非表示/違反報告)
わかちゃ(プロフ) - 初めまして✨初コメ失礼します!!すごく大好きな作品です!これからも更新頑張ってください! (2023年3月4日 22時) (レス) id: b355fc481c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが待ち遠しい...。更新頑張ってください!応援してます。 (2023年2月19日 21時) (レス) id: dd9d21c513 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2023年1月29日 12時

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