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30話 ページ31



「バーボン、余計な詮索はするなと言ったはずだが?」

私を抱き締めたまま彼が言う。アニメ通りのあの悪役らしい声で。私の前では低くてオシャレな声ってだけだから実はこんなドスの効いた声を聞くのは初だったりする。でも怖くないのは恐れを抱かないのは、彼だと知っているからなんだろう。

「す、みません。ジン、あまりにもこの女性が魅力的だったもので、お知り合いですか?」

ビクビクと警戒しながら、それでも的確に情報を抜き取ろうとする。さすが公安警察だ、侮れない。

「お前に話す義理はねぇ。お前には釣り合わねえ最高の女だ、関わるなよ」

でも彼の方が1枚上手。情報なんてひとつも与えない。ギュッと抱き締める力が強まった、暖かくてホッとする。ていうか最高の女だって、嬉しすぎる。もう1回言って欲しいくらい。

「行くぞ」

『どこに?』

「ガキは入れねぇ店だ」

チラッと主人公を見てそう言った。貴方が小さくした人だよ、その子は。顔がにやけてしまう。レストランにでも連れてってくれるのかな。彼は恐らくお金持ちだ。任務の報酬が高いんだろう。優しく手を握ってくれる彼が愛おしい。でも、私は腕を組む方が好きだから、手をほどいて腕を組んだ。驚いたような顔をする彼。私から密着したことってあんまりないもんね。

「ジンッ!!!遊び、ですよね…?」

ドアから足を出しかけている彼にそう問う。貴方が公安警察だから一般人かもしれない私を心配しているの?でも目の前でそんなことを聞くのは酷いも思う。私の目の前で。少しだけ彼の答えを聞くのが怖かった。当たり前だと言われるのも何も答えないのも、それは肯定を意味するから。

長身な彼を見上げる。彼もこちらを見つめていた。まるで安心しろって優しい瞳で私を見つめそっと髪の毛を撫でられる。

「俺は遊びでこんな真似はしねぇ。お前と違ってハニートラップもやってねぇしな。探るのはやめろと言ったはずだが」

瞬時に腕をほどいてツカツカと男の前まで歩み寄り恐らく隠し持っていた拳銃をコート越しにゴリッと当てた。冷や汗を垂らすバーボンを背中に私の元へと帰ってきてはまた優しく腕を組んだ。

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夢子(プロフ) - 続き待ってます!更新頑張ってください (5月11日 8時) (レス) @page32 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (5月5日 14時) (レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
honoka - 続きが楽しみです❤応援しています! (2023年4月2日 10時) (レス) @page32 id: 31959a78cc (このIDを非表示/違反報告)
わかちゃ(プロフ) - 初めまして✨初コメ失礼します!!すごく大好きな作品です!これからも更新頑張ってください! (2023年3月4日 22時) (レス) id: b355fc481c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが待ち遠しい...。更新頑張ってください!応援してます。 (2023年2月19日 21時) (レス) id: dd9d21c513 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2023年1月29日 12時

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