いつか私のところに戻ってくれば良いだなんて

23話 ページ24

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でもお前は俺が誘ったらするけどお前から誘われたことなんて1度もない！！って言われたけどそれはつまりセ ックスのことで良いのだろうか。主語を言わないのは皆が見ているからって言うせめてもの気遣いかな。それとも自身の恥じらいか。まぁそんなのどっちでも良いけど。どっちにしろ皆は少し勘づいたようで頬を赤くしている、なんて純情。私はそれには流石に答えにくかった。だって確かに私は望まれれば応じたけれど自分からは望まなかった。だって下手で気持ち良くないし第1この男としたいと思わなかった。それにあの汚い部屋にはなるべく行きたくなかったし。私は好意なんてこれっぽっちももってないから必然的なことだ。

手元がバイブと共に震える。窓から飛び降りろ。随分無茶なことを言う。私がいるのは窓際でクズ男は私を追い詰める形をとっている。皆は遠巻きに見ているので廊下側だ。それすら知っていての言動だろうか。そもそも私が東側の3階の教室だということも知っていた？全くどこまで私のことを知っているんだろう。

少しずつ少しずつ窓枠に手をかける。バレないように、ゆっくりと。そうしてクズ男が目を閉じた瞬間、体を回転させ窓をまたいで飛び降りた。下を確認する余裕なんてなかったから一か八かの勝負でもあったけれど、私はその勝負に勝つ自信があった。3階から飛び降りるなんて怖くて出来ないはずなのに今だけは怖くない気がした。後方から女子の甲高いキャーという悲鳴があがる。落下中の私には確認不可能だったが、足音はしなかったから窓際で私の様子が見えていたのはあの男一人だった。結局危険な男のそばには近寄りたくないのだ。でもそれはある意味助かる。彼の様子を見られなくて済むから。彼はそれを想定していた？それとも自分が見られることより私を助けることを選んだ？知りたい。

本当に下なんてひと目見る暇もなかったのだ。恐怖心を彼が来たという安堵心が覆ってしまった。相手の隙をつくのに必死で見計らって飛んだだけだったのに、彼は私の落下地点にちゃんといた。

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