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13話 ページ14



『そうだね〜、蘭ちゃんは凄く優しい子だよ。正義感も強いからクラスの人気者なの。でもそんな蘭ちゃんが工藤君がいないことで悲しそうな顔してるのを見るのは少し辛いけどね〜。って、ごめんごめん。コナン君には恋愛のことなんて難しくて分かんないか!』

利用されるみたいで気分が悪いから嫌味を込めて言ってやった。まるで自分は本当にそう思ってますよって顔して。工藤君のせいで蘭ちゃんが悲しんでるって本人に伝えてやった。本当はそんなの見てもちっとも悲しくないけどそれも全部ふりだふり。目の前で辛そうに顔を歪めるコナン君もとい工藤新一。いつも思ってたけどポーカーフェイスを保った方が良いんじゃないだろうか。それだと直ぐにバレそうなものだけど。まぁそこはアニメの世界だから上手くできてるのかな。

『あ、じゃあそろそろ帰るね。ばいばい』

そろそろ金髪のあのトリプルフェイスな男が仕事を一段落終え会話に入って来そうだったし、コナン君を一泡吹かせることに成功しご機嫌だった私は別れの挨拶を済ませた、つもりだった。プルルという音と振動が電話の着信音を告げる、それは私のスマホからだ。あのクズ男以外からの電話の着信音を聞いたのなんていつぶりだろうか。クズ男は分かりやすく音を変えているのだが、思い出せない。久しぶりの電話だが何故だか出てはいけない気がした。出たら良くないようなそんな気がした。けれど会計にたった私に目の前で精算を済ませる男が電話に出るよう促す。恐らく親切心のそれが酷く余計なお世話に感じた。深呼吸をひとつした後、電話に出た。知らない番号なのでと遠慮すれば良かったと電話に出てから気づいた。明日は絶対に○○博物館に近づくな、家から1歩も出るな。怒鳴るような切羽詰った声が私にそう約束させる。男性らしい低い声は怒鳴っているからかうるさく感じすこしだけ耳から端末を離した。私はこの声を聞いたことがあるような気がする。何かとてつもなく嫌な予感がするけれど私はその何かを解き明かしたくないと思っている。そして初めて電話されたというのに既視感を感じるのだ。この端的で不器用な言い方は嫌でもあのメール相手と重なってしまう。私の返事も聞かずに電話は切れた。突然ポアロ内の空気が冷たく感じ直ぐに外に出ようとした。

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夢子(プロフ) - 続き待ってます!更新頑張ってください (5月11日 8時) (レス) @page32 id: 913dff5ce5 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (5月5日 14時) (レス) id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
honoka - 続きが楽しみです❤応援しています! (2023年4月2日 10時) (レス) @page32 id: 31959a78cc (このIDを非表示/違反報告)
わかちゃ(プロフ) - 初めまして✨初コメ失礼します!!すごく大好きな作品です!これからも更新頑張ってください! (2023年3月4日 22時) (レス) id: b355fc481c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが待ち遠しい...。更新頑張ってください!応援してます。 (2023年2月19日 21時) (レス) id: dd9d21c513 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2023年1月29日 12時

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