Ca《5》 ページ6
※
「おまたせしましたー。ビールとフルーツのヨーグルト和えですー」
ふと、考え事をしていると、自分たちの部屋の襖が開く。
入ってきたのは、元気良さげな若い店の子。
器用に右手にビールのジョッキを複数持ちながら、左手にはフルーツのヨーグルト和え。
そのバイトの子は、忙しそうにビールを私たちのテーブルに置けばさっさと戻って行ってしまった。
「はい、Aちゃん。ビールとヨーグルトだよね？」
『ありがとうございます。ガッチさん』
ガッチさんにビールとヨーグルトを手渡されると、落とさないようにしっかりと掴んで受け取る。
しゅわしゅわとビールの炭酸の音が、至近距離になると聞こえてきた。
ビールの薄く透明な茶色の中には、ぷくぷくと気泡が浮かんでは消える。
レトさんが、私とグラスを合わせるように促せば、それに釣られて、キヨ以外の2人もカチン、とグラスを合わせる。
一気に身体中を駆け巡る、アルコール。
「てか、A。飲んで良いわけ？なにで来たんだよ」
『タクシー。らーひーがお金出してくれた。』
ふーん、と素っ気なくキヨは私に返事を返す。
まぁ正確にいえば、
“ お金を出してくれた ”
じゃなくて、
“ お金を強請ったら出してくれた ”
のほうが正しいんだけどね。
心の中で小さくそう呟いて、フルーツのヨーグルト和えを口に運ぶ。
「うまい？」
『キヨの好みではなさそう。食べる？』
私は箸を口に含みながら、キヨに答える。
私の悪い癖。
何も食べていないのに、口に箸を含むこと。
やめなきゃって毎日この癖をするたびに思うのに、どうしてもやめられない。
「、一口」
『………ここで？』
あ、始まった。
キヨの一口ねだり、が。
ガッチさんと牛沢さん、レトルトさんの3人は何かの談義中で、私とキヨは少し離れたところで食べている。
ここでキスするのは流石に私も少しきつい。
何とかしてキヨを止めたいところ。
「やなの？」
『やではないけど、レトさんとか見てるじゃん』
これが精一杯の私の反抗。
“ Aってキヨに甘いんだよな ”
前に、フジやこーすけに言われたことがある。
今、その言葉が身にしみてわかった気がするような。
キヨに見つめられると、目を逸らしたくなる
きっと、そんなことをすれば彼は怒るけど。
『……キヨ、』
「もう遅えよ」
※
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シヨ子(プロフ) - きなこもちさん» コメントありがとうございます！ ほほほんとですか？！お粗末な伏線だったため意味わからないところもあったと思います…（ ; ; ） 応援ありがとうございました！ (2018年2月7日 21時) (
レス) id: 01ab4c7fe3 (このIDを非表示/違反報告)
シヨ子(プロフ) - hhi_nana07さん» ありがとうございます！ ちょっとラーヒーさんには辛い思いさせすぎたので自作は幸福にしてあげたい…！と勝手に思ってます← 応援ありがとうございました！ (2018年2月7日 21時) (レス) id: 01ab4c7fe3 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！伏線の張り方がなかなか好きです; ; 次回作や続編期待してます！！本当に面白かったです！！！ (2018年2月7日 17時) (レス) id: fa96768ac6 (このIDを非表示/違反報告)
hhi_nana07(プロフ) - ラーヒーさんのきすの連続で発狂しまして、キヨ落ちだと分かっていながらも「わーー！！ヒラと付き合わせてくれ！！！」と叫んだヒラファンはここです。最高すぎる作品です好きです (2018年2月7日 1時) (レス) id: 9eef147025 (このIDを非表示/違反報告)
ポチオ(プロフ) - 完結おめでとうございます！この小説に巡りあえて幸せです！次回作や、続編なども、楽しみにしています！ (2018年2月6日 19時) (レス) id: 8222097381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シヨ子 | 作成日時：2018年1月29日 13時
