悪夢課全員出撃【悪夢課】 (ページ17)

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悪夢課16【緋魏慧】ページ17

いきなりがらさんの後ろに見覚えの無い奴が居たから吃驚した。

にしても、使い魔ね……

一瞬妖怪かと思った。

時々、人間と妖の区別が付かなくなる時が有るから、本気で霊能力を発動する所だった。

でも発動しなくて良かった。危うくがらさんの使い魔を傷つける所だった。

今は部屋の隅で九尾の姿をしたがらさんの使い魔がセーラさん達によってもふもふされている。

そして、使い魔が来たからかは分からないけど、扉越しに一回り大きい影が見える。

流石にあれは何とかしないと不味い。

俺は立ち上がり扉の方へ向かう。

其れに気付いただらさんが声を掛ける。

「慧、如何した？」

「一寸外の様子を視てくる」

それだけで妖関連の事だと察したのか、一瞬だらさんの顔が強張った。

「え、慧くん何処か行くの？」

花穏さんが俺に聞いた時、俺は扉を開けていた。

「暫く此のドア開けないで」

そう言って素早く扉を閉め、影の正体を確認する。

「うわっ、でか……」

がらさんの使い魔と同じくらいの大きさの妖が居た。

水を使えば良いかな。

水道使ってたみたいだし。

「何？どうしたの？」

扉の方から声が聞こえ、慌てて霊能力を発動する。

妖とか視えるの俺だけだし、目を付けられても困る。

右手に有りっ丈の力を込めて、妖の方へ向ける。

水が勢い良く放たれ、妖の顔に命中。

すると妖は退散した。

それと同時に、ドアが開いた。

「慧？大丈夫か？」

扉から顔を出していたのはだらさんで、其の後ろで他の人も心配そうな表情をしている。

「ああ、大丈夫。大した事ないから」

手をひらひら振りながらそう言った俺の背後で、誰かの足音が聞こえた。