いやよいやよも【赤】 (ページ16)

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よかぁま先輩ページ16

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「んあ？あ、Aちゃんや」

あ、ああ二人もいたんかって後頭部をぽりぽりかいてる

片手には携帯持って、少しほっぺたが赤い

今日は結構日差しがあって、長袖じゃちょっと暑いくらい
春って結構日焼けしそうな日あるよね

にしても先輩肌白いなー…

「なんやみんなして揃って」

『たっちょんがお腹減ったって言うから』

「ん？昼飯食ってなかったん？」

「こいつカレーと天丼昼に食ったんすよ」

「え、嘘やん…それほぼ犬やで…」

たっちょんニッコニコして聞いてるけど
それ褒められてないと思うよ

ようやく列が動いてパン屋さんの入り口に到着

たっちょんが「わぁ～いっぱいある～！！」ってトングカチカチしてる
亮ちゃんはやきそばパン一択らしい、あとバナナオレ

私は何にしようかなーって迷ってると

先輩は自分にそっくりな白いパンをプレートに乗っけて

「あ、そいや三人とも今日の新歓ライブ来るやろ」

本日何回目かのライブのお誘い

『行きますよ～』

「よかぁま先輩は誰とバンド組んでるんすか？」

亮ちゃん、普段人見知りなのに軽音サークルの先輩だけは平気そう

「あー、今はな」

渋谷先輩がボーカルで、安田先輩がギター、丸山先輩がベースで、
シンセが村上先輩、トランペットとパーカッションが横山先輩らしい
(村上先輩と一緒に主なMCも担当)

「ん？ドラムって誰なん？」

「あー今はサポートやねん」

やっと会計に到着してお姉さんにプレートを渡す

たっちょんお惣菜パン5個買ってるけど
胃袋完全バグってない？

「もともとみんな違うバンド組んでて、共通で関西出身やろ？俺ら

せやから去年試しにバンド組んだらなんかええ感じやったから

なんなら学校の外で本気出したいとこやねんけど

ドラムだけイマイチ決まらんねん」

下唇突き出して難しい顔する横山先輩

あ、それならちょうど良い人材が…

そう思って隣に並ぶたっちょんを見上げると

パンがいっぱい入った袋を掴んで
キラキラした目で横山先輩を見てる

『横山先輩、それなら…』

言いかけたところで、横山先輩がそわそわしながらポケットをごそごそし始めた

「よ、横山先輩？」

なにしてんすか？って亮ちゃん、
あああやきそばパンがプレートから落ちそう

「あ、あれ嘘やろ…ちょ、

誰か金貸して…」

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