Two's company (ページ41)

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紫耀side

廉と夢の国に行くことになった

廉は人混みが苦手だから心配してたけど、

いざ、遊んでみると、楽しそうにしてる廉

良かった、

と、胸をなでおろす

楽しい時間はあっという間に過ぎ、

夢の国に入ってから３時間は経っていた

でも、もう少し遊んでいようということで、

次のアトラクションへと向かっているときだった

？「あれ、廉？」

誰かが、そう言った

廉は立ち止まり、その声がしたほうを見る

そして、声を掛けたであろう相手の顔を見た瞬間

顔を強張らせた

廉「なん、で…」

声を震わせ、怯えた声でそう言う廉

繋いでいる手を、もっと強くギュッと握られる

俺の手を握る廉の手は震えていた

…どうしたんだ？

廉が心配になり、声を掛けようとすると、

？「やっぱ、廉やんか！ほんま、久々やなぁ！
　俺、あかし！覚えとる？」

あかし？という人は、

廉をキラキラさせた瞳で見ながらそう言う

廉はあかしという名を聞いた瞬間、顔を俯かせた

そして、手の震えがひどくなっていく

あ「廉、あの時のことはほんま反省しとるって～！
　な？全てなかったことにして、最初からやり直そうや！

　そや、連絡先を教えてや！」

廉に近寄りながら、そう言うあかしさん

廉はあかしさんが近づくたび、

俺の背中の後ろに隠れていく

あの時のこと…？

もしかして、廉の性格が暗くなってしまった理由って、

こいつが原因…？

紫「あの、あかし？さん。今日は１人で来てるんですか？」

廉と話させまいと、あかしさんにそう言う

あ「まさかぁｗ向こうの方に友達がいるんすよ！
　あ、一緒に来た子中学校の頃の友達だから、廉と仲良かった子です！

　あ、廉の新しいお友達ですか？

　俺、廉の親友です！」

そうにこやかな笑顔で言うあかしさん

中学生の頃の友達と聞いて、

廉の体がビクッ！っと跳ねたのが、手だけでも伝わった

…へぇ、親友ねぇ、

ほんとの親友だったら、廉、こんなに怖がらないでしょ

廉「しょ、くん、もう、帰りたい、」

途切れ途切れ、小さく震えた声

その廉の声は人混みの声でかき消されそうだったが、

俺の耳にはしっかりと届いた

紫「…あかしさん。廉が体調が悪いらしいので帰ります。では。」

冷たくそう言い放す

震える廉の手を握り、体を支えながら、

俺らは、夢の国の出入り口へと足を進める

あ「お大事にな～！」

後ろから聞こえるあかしさんの声

もし、廉がこんなになった理由があいつだったなら…

そう考えると、無性にあいつに腹が立ってきた