Two's company (ページ3)

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1時間目が始まる前にある10分間

俺はいつも顔を机に伏せて、授業が始まるまで、目立たないようにしている

案の定、隣の平野さんはクラスのみんなに囲まれ、
楽しそうに話している声が聞こえた。

ほらな、やっぱり1軍様や

他のクラスからも、平野さんを見にやってくる人もいる

俺が苦手で、関わっちゃあかん人。

仲良くなんてなれっこない。

ほんまは、初めてこの学校で、仲良くなりたいと話しかけてくれた平野さんと仲良くなりたいとは
思っとった

やけど…。

こんな現実大っ嫌いや、

人と関わりを持ちたくないとか思う自分が、

優しくない自分が、

嫌いで嫌いで仕方がない

なんて考えてたらいつの間にか授業が始まる時間

先生が入ってき、授業が始まる

さすがの俺でも授業は真面目に受ける

先生の話を聞いてると、隣の席から呼ばれた声がした

隣を向いてみると、平野さんが、

紫「全然分かんねぇ(笑)教えてくれない？」

とこそっと言ってきた

喋ってたら、注意される、

注意されると、周りからの視線が刺さる

でも、相手は1軍様…。

断れない俺は、平野さんのお願いを引き受けた

教えていると案の定

先「そこ、なんで話してるんだ～？」

と言われた

途端に周りから降り注ぐ視線

その視線に耐え切れず、顔を俯かせた途端に

紫「あ、前の学校より、大分進んでいて、分かんなくて、永瀬さんに教えてもらってました」

そう言う、平野さん

先「あ、まだ習ってないとこあったのか？永瀬、きみは成績良いから教えてやりなさい

　平野も、分からないとこあったら、先生とかにいつでも聞いていいからな」

紫「は～い」

そう言う、先生と平野さん。

なぜか、そのことに驚いた俺は平野さんを見た

平野さんは俺と目を合せて、

クシャッと笑った

笑顔が似合っとる、眩しくて綺麗な平野さん。

俺は、そんな平野さんを見て、初めて、

こんな人になりたいって思った…。

いつの間にか午前中の授業は終わり、お昼の時間

いつもの校舎裏に行こうと弁当をもって、歩き始めたら

いきなり腕を掴まれた

びっくりして、誰が掴んでるのかと思って見てみた

すると、平野さんが俺の腕をつかんでいるのが分かった

なんでや…？

なんで、俺の腕をつかむ？

俺何かした？

怖い、早く1人になりたい、離してほしい、

そう思っとる俺に平野さんが口にした言葉は、

紫「一緒にご飯食べよ」

やった。