彼女なんてやってられるか【及川徹】

10話 ページ10

「おい、A！待てって！」


彼女の腕を捕まえてこちらを向かせれば不機嫌丸出しの表情




「ったく...ビビらせんなよ」

「別にビビらせてないし」

「お前が怒ると手のつけようがないんだからな」

「だから抑えたじゃん！」

「分かってる、よく頑張ったよ、お前は」

「はじめのくせに...」





私の頭を撫でるはじめの手は優しくて俯けば視界がぼやける

ああ、泣いてんのかな、私





「泣くまで我慢してんじゃねえよ」

「っるせ」




はじめはその後、何も言わずに私が落ち着くまで側にいてくれた







「お前ちゃんと及川と話せよ」

「えぇ...めんどい」

「いいから！分かったな？」

「はいはい、分かったよかーちゃん！」

「誰がかーちゃんだ」


はじめにはいつも助けられてばかりだ

どっかのバカ男とは違って頼りがいもある。ほんとなんでモテないんだろ

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