. ページ39
side A
臣は､電話の最後に
｢隆二なら幸せにしてくれる｡｣
｢何があっても隆二の手を離すなよ｣
そう言った｡
その声がとても優しかったから､私は｢ありがとう｣と答えた｡
.
.
.
｢明日休みなんだっけ？｣
｢うん｡火曜日は定休日だから｡｣
｢何するの？｣
｢明日？15時から講習会に出席する予定だけど｣
｢講習会？｣
｢うん｡一応､会社を経営してる身として､経営学を勉強しに行くの｣
｢へぇー｡偉いね｡｣
｢素人だもん｡私｡ただ美容師になりたくて､美容学校行って､いつか店出したい！って夢も漠然としてたから･･････美容以外の勉強なんてしてこなかったんだよねー｣
｢でもそこで勉強してるんでしょ？｣
｢うん｡責任重大｡社員､アルバイトを守る責任と義務がありますから･･･もうね､足プルプル！｣
｢小鹿？｣
｢産まれてすぐのね｡｣
｢それは大変｣
隆二は少し大袈裟な顔をして､私はそれに大きく頷いた｡
.
.
｢そろそろ帰らないとマズイな｣
時間を確認して､ローテーブルに置いた物たちをまたポケットに詰め込んでいく隆二｡
｢･･････暫く会えないかもしれないけど､出来るだけ時間作るから｡Aも､時間作ってもらえる？｣
｢うん･･･もちろん｡｣
私の時間なんてすぐに作れるよ･････････｡
でも隆二はそうもいかない････････よね･･･｡
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1284人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りあ | 作成日時：2017年1月25日 20時
