複雑な気持ち ページ1
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｢Aさん､お先に失礼します｣
｢お疲れ様！また明日ね！｣
今日も いつも通りに営業後のアシスタント陣の練習に付き合い､その後 私はカウンターで事務仕事に追われる｡
足りてない薬や備品を発注､整理
ウェブサイトをチェックしたり､SNSの更新
予約確認と並行して､翌日のお客様のカルテ出し･･･
そしてカルテのチェックと整理とデータ処理｡
本来ならこの雑務はアシスタントの子達にお願いするけれど､今､彼女達は社内試験の特訓中｡
それどころではない｡
可能な時間は練習を！
因みに､この店の店長である涼介は､下町の店を潰すわけにもいかず､手放すことも出来ず､ひとり残ると志願してくれた祐也と勉強会｡
灯里は見たいテレビ番組が始まるから､とそそくさと帰って行った｡
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｢･･･あ"ーー！疲れたーーー！終わったぁー！｣
誰もいないフロアに響く私の小言｡
そして誰もいないはずなのに､フロアに響いた
｢お疲れ様､A｣
甘い甘いヴォイス
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｢鍵開いてたよ､強盗入ってきたらどうすんの｣
｢あ､ごめん････････････って･･･なんで？なんで入ってきてんの！｣
｢外から見えたから｣
悪びれる様子もなく普通に､待合のソファーに座る敬浩くん
｢あのさ･･････この前､ごめん｡大丈夫だった？｣
｢･･････何が？｣
｢セクシーなメンズ？だっけ？
････････････････登坂のとこ､泊まったんでしょ？｣
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あっれー？バレてる？！
･･････おい登坂｡
そこは内密にしとくべきだろうよ｡
｢大丈夫じゃ､なかったかもねー｡｣
あの日は色んな意味で､“大丈夫じゃない日”だったから｡
｢････････････もう出れる？｣
｢出れるけど･･帰るよ？今日は｡｣
｢ん･･････送る｣
ソファーに置いたままの私のバッグを手にして､敬浩くんは立ち上がった｡
この人はいつもこう突然現れる････････････
そして
いつも突然いなくなるんだ｡
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作者名：りあ | 作成日時：2017年1月25日 20時
