【AP ヘタリア】絶対王政注意報【アーサー・カークランド】

嗚呼愛しのプリンセス！1/3 ----里夢＠低浮上になるかも...。 様リク ページ22

リクエスト「アーサーとロヴィで取り合い」

舞台は王国。
お互い主人公を溺愛する隣国の王子。
あるあるな王国ファンタジーですが、王子たちが残念です。

※異様に凝った設定(飛ばして可)
アーサー 呪術や魔法が発達している緑の国の王子。
その容姿と頭脳で引く手数多。ただし彼の頭の中は常に隣国の姫でいっぱい。大好きすぎて変態じみているところも。姫にアーティって呼ばれたい。チャームポイントは眉毛でなく腰。

ロヴィーノ 商業や航海の発達する青の国の王子。双子の弟がいる。兄弟揃って女たらしの美男子と皮肉られているが(いい意味で)、時々国務サボって会いに行くくらい夢中になっているひとがいるのは秘密。姫にロヴィと呼ばれている。チャームポイントはアホ毛のくるんではなく鎖骨。

**

「もう、ホントにダメね？」
侍女のエリザが私のスカートをつまんでいった。
「何回城の庭園から街へ抜け出したことか」
「見逃して、エリザ！ダメなの！今日は！」
「ダメなことに昨日も今日もないのよ〜」
ズルズルと物凄い力で引きずられ、私はうなだれながら遠ざかる庭を見つめるしかなかった。
「庭はOKなんでしょ？」
「ええ、そうね」
「天使のアーチ」
「ええ」
「祝福の噴水」
「ええ」
「人々の街」
「いいえ」
「なーんでー！」
私は手足をバタバタとさせた。
部屋に入ると、エリザが「あのねぇ」とため息をついた。
「貴方、一応お姫様なんだから。何かあったらどうするの？私もこんな口調だけど、本来は貴方に傅かなければいけない立場なのよ。事があってからでは困るわ」
さら、と髪を撫でてエリザは言った。
「私もお転婆な頃があったから、気持ちはわかるけど。今は我慢して頂戴ね」
「はぁい…」
「今夜は隣国の青の国との会食があります。ドレスを見繕っておきますから、待っててくださいね」
急に敬語に戻ったエリザに「意地悪」というと、彼女は微笑してドアを閉めた。
「会食かぁ…」
ほつれたスカートに目をやり、着替えなければとクローゼットを開ける。
「お風呂、入ろうかな」

服を脱ぎ、タオルを巻いた。
その時。

「ひーめ」

部屋の窓から声がした。

「へぁ！？」

「相変わらず、色気ねー声」
くくくっ、と彼は笑うと窓を超えて室内に飛び込んだ。

「いやあああああ！ちょっと！！」
体にはタオル一枚しか身にまとっていない。
エリザを呼ぼうにも、もう声が出ない。

だって、

…


「また、会えたな。A」

唇を離して、彼は目を細めて笑った。

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