悲歌慷慨 ページ10
A「・・唯さんってさ、蓮さんの彼女？」
聞いたら嫌な顔されるだろうな・・位の考えだった。
久しく恋愛に縁が無かった故の好奇心は、
するりと言葉に成り代わってしまって。
知ったからどうって訳でもないけど、気になるものは気になる。
またちょっと嫌味言われる位で済むなら、
この場で解決して、すっきりしてしまいたい。
お皿を洗っていた後姿が、私の疑問に動きを止めた。
R「・・は？」
A「仲良さそうだったし！付き合ってんのかなぁって。」
R「・・・。」
A「あ！それとも蓮さんの片想い？」
R「・・・。」
A「確かにめちゃくちゃ可愛かったもんね。そっかそっか、好きになる気持ち分かる！」
・・正直最初は、2人の関係性を知りたいという純粋な気持ちだった。
だけど、さっきまで彼に揶揄われてた仕返しをするのに、
この話題はめちゃくちゃ良いチャンスなんじゃないか？とも企んでいる自分が居て。
遠慮から入った話口は、いつの間にか蓮さんへの煽りも滲ませていた。
見た感じ、2人が付き合ってる雰囲気は無かった。
好意を隠さずあんなに曝け出している所を見ると、
蓮さんは蓮さんで、今の関係に焦っているに違いない。
こんな嫌な所突く言葉遣いしたら、
これからは多少、私に対する接し方も変わって来るだろう。
立場をはっきりさせる事は、これからの1年間の暮らしやすさにも直結するはず。
・・さっき自分で言った様に、
彼に、私より『年下』である事を認識させる良い機会だ。
黙りこくって俯き加減の蓮さんに、さらに畳みかける。
A「上手くいくと良いね？お姉さん、応援してるから。」
・・勝った。絶対勝った。
オムライス食べたせいで口紅が取れかかった唇じゃ、
全然格好つかない表情だと思うけど。
歯を見せない、にこやかな営業スマイル。
入社時の研修で、小一時間は練習したこれ・・このタイミングでされたらムカつくでしょ。
蓮さんは、落ちた前髪のせいでどんな顔をしているか分からない。
これ以上ここに長居しても、きっとこの先蓮さんが話をしてくれる事は無いだろう。
わざと大きく音を立てて、高めの椅子から立ち上がったその時だった。
A「・・・っ？！」
R「・・・ん、」
カウンター越しに、大きな手が私を引き寄せる。
首元からの強い力につんのめって、何とか両手でバランスを取るのがやっと。
間近で閉じられた瞼と触れる鼻先に、息が出来ない。
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
