芯の強さ ページ8
結局、さすがの蓮さんも良心が痛んだのか、
唯さんと一緒に、私にもオムライスを出してくれた。
そりゃそうだ、私にまかないを作らない理由が通っちゃえば、
唯さんにも同じものを作ってあげられないのだから。
目の前に置かれたオムライスは、
唯さんのに比べて、デミグラスのかけ方が若干雑な気がしたけど。
そんな事を気にしている程お腹に余裕は無かったので、黙々と食べ進める。
A「美味しい・・！」
R「他には？」
A「へ？」
R「それ以外、無いの？」
A「え？えーっと・・。」
R「俺より3つも年上なんでしょ？それなりに美味いものだって食べて来てるだろうし。」
A「・・・。」
R「『年下』の俺に、料理の意見くれませんか？Aさん。」
―――む、ムカつく・・！
オムライスが美味しかったから、そのままそう言っただけなのに、
蓮さんから発せられるのは、意地の悪い畳みかけと、正反対のキラキラした笑顔。
しかも今、なんか、Aさんって・・あっさり名前呼ばれたんですけど？！
下の名前で呼ばれるなんて、いつ振り？
大学のチャラいサークル仲間位しか、呼ぶ人居なかったんですが？！
あ、阿部先輩にだって、名前呼ばれた事無いのに・・！
あわあわと言葉を紡げない私に、
目の前のキラキラした笑顔が、次第に冷たいあの顔に変わっていく。
R「・・キモ。」
A「はぁ？」
R「唯。この年上のおばさんの事は気にしないで、ゆっくり食べて？」
A「おばっ・・！」
まるで七変化、
今度は唯さんに、見てるこっちが胸焼けしそうな甘い笑顔。
もうこれアレなんじゃない？
私が嫌われてるっていうより、蓮さん、絶対唯さんの事好きなんでしょ。
そう思ってないと、やってらんない格差だ。
―――この顔向けられて、唯さんはどんな表情してんだろ。
まだまだ温かいオムライスをスプーンに浮かべ、
冷ましながら、チラリと左側を覗いた。
Y「・・あんまり女の人苛めちゃダメだよ、蓮。」
そこに居たのは、
蓮さんのあの笑顔に動揺することなく、落ち着いた物言いで諭す様に微笑む彼女。
言い合う私達を傍目に、オムライスをもうほぼほぼ食べ切っていた。
全くと言って良い程、前後で態度は変わらない。
【あんまり女の人苛めちゃダメだよ、蓮。】
・・彼氏にそんな事言う？普通、言わない。
白けた様に目を逸らす蓮さんと、慌てすらしない唯さん。
―――もしかして、蓮さんの片想い？
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
