自信喪失 ページ6
もうそろそろお昼の営業が始まるとの事で、
一旦、康介さんと蓮さんの口論は終止符を打たれた。
正直、ここからの1年間を想像すると泣きそうになるけど、
うだうだと悩んでいても仕方ないのは事実で。
A「じゃあ、あっちでもAらしく頑張るんだよ！応援してる。」
・・阿部先輩の期待を、裏切りたくない。
こんな私を、阿部先輩は応援してくれてるんだ。
蓮さんが文句を言いながら運んでくれたスーツケースを整理しながら、あの笑顔を思い出す。
A「・・頑張ろ。」
まだ始まったばかりだ。
ちょっと気が合わない人が一緒に住んでる位で、へこたれてどうする。
よくよく考えたら、
別に同居してるからって、頻繁に顔合わせて話したりしなきゃいけない訳じゃないし。
そもそもあっちはお店手伝ってんだから、
営業終了する10時位まで、3階には上がって来ないらしいし。
朝早くから、仕込みとかで忙しいんだろうし？
基本的に8時前に帰って来る私とでは、鉢合わせる可能性は低い。
・・うん、これならいける気がして来た。
A「なんかお腹減ってきた・・！」
ポジティブに行こう！
その考え方が大事だって、阿部先輩も言ってた。
大方スーツケースも片付いたし、
細かい所は生活するうちに整頓されていくだろう。
地図アプリを起動していたせいで電池が減ったスマホは、
とうにお昼の時間を過ぎた数字を示していた。
M「あら、Aさん！どこか出かけるの？」
ランチの営業も終わったらしく、
静かに階段を下りた意味はあまり無かった。
疲れの見えない美しさを纏ったまま、美幸さんが声を掛けてくれる。
一瞬警戒して周りを確認したけど、蓮さんの姿は見えなかった。
A「荷解きしてたらお昼食べ損ねちゃって・・近くにコンビニあったから、何か買って来ようかなと思いまして。」
M「コンビニ？！」
A「え？いや、そんなに驚きます？」
M「若いんだから、そんな食生活じゃダメじゃない！」
A「はい？」
M「『三食食事付』・・ここに住む時の約束でしょ？ほら、いらっしゃい。」
朝と同じ力で、美幸さんは私の手を引く。
まだ店内に居るであろう蓮さんに会いたくなくて、
さっき見つけた裏口から出ようと思ってたのに・・。
あっという間に、またあの匂いに包まれてしまう。
初めて入った時よりも、色濃く香るのはデミグラスの香り。
大きな鍋をかき混ぜていた細身な後姿が、こちらへ振り返った。
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
