心当たり ページ45
少し早めのランチを終えて、店を出る。
R「翔太くん、ご馳走様。」
A「・・ご馳走様です。」
年長者だからか、蓮さんと約束をしていたのかは分からないけど、
今回のご飯代は翔太くんが持ってくれた。
異性と外食に行く機会なんてあんまり無かったから、
こういう場での振舞い方って知らなくて。
個室で、そろそろお店を出るという空気になった時、
急いでカバンから財布を取ろうとすると、翔太くんが露骨に嫌そうな顔をした。
S「・・それ、何？」
A「え？」
S「要らない。お前から金貰いたくないし。」
A「いや、でも・・。」
S「こういうやり取り、俺嫌いなの。先に蓮と車戻ってて。」
A「あ・・。」
視線だけで動きを制する翔太くんに、それ以上言葉を紡ぐ事も出来ず。
――・・伝票と共に部屋を出て行く彼を、目で追う事しか出来なかった。
S「やっぱ料理美味かったわ・・人気なだけあるな。」
R「うん。パスタも美味かった。」
翔太くんが行きたがっていたアウトレットへ向かう車内。
私の運転が余程不満だったのか、
精算を終えた翔太くんに、問答無用で後部座席に追いやられた。
助手席に座った蓮さんと2人で話し込む翔太くんを、斜め後ろからぼんやりと眺める。
・・この人さっき、私の耳にキス、したよね？何で？全然分からない。
S「まぁうちとはちょっと方向性が違う気もしたから、参考になるかは微妙じゃね？」
R「うーん・・あ、オムライスは？」
A「・・・。」
S「A？」
R「・・Aさん？」
妹みたいに思ってる人に、そんな事する？
私が自意識過剰なだけ？本人から直接、それ言われた訳でも無いし。
でも後ろから抱きしめられた。仲良しだったら、有り得る事？
さっきより少しだけ冷静になった脳内で、
一つ一つ問題を提起して、整理していく。
迷宮入りしそうな自問自答で、
バックミラー越しに2人の視線が集まっている事にも気付かない。
R「―――ねぇ、聞いてる？」
A「っ？！はいっ？」
R「ぼーっとし過ぎでしょ。どうしたの？」
S「えー、何？お前、そんな物思いに耽る様な事でもあった訳？」
A「そ、それは翔太くんが・・！」
言いかけた所で、不思議そうな顔の蓮さんと目が合う。
勢いに乗って、一から十まで話してしまいそうだった。
揶揄いが上手くいって、楽しそうな翔太くんとも視線がぶつかる。
この奇妙なドライブは、まだまだ続くみたいだ。
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
