謎の人物 ページ5
R「―――・・あのスーツケース、何が入ってんの？クソ重い。」
調理場の方から、トントンと階段を軽快に降りる音。
わざとらしく肩を回して、またあの綺麗な顔を歪めるその仕草。
昔から察しが良い自分が、こんなにも嫌に思えるのは初めてだ。
K「蓮は、俺たちの息子でね。Aさんの3つ年下になるのかな？」
A「えっ、年下？！」
R「は？」
A「あ、何でも無いです・・。」
M「調理の専門出て、今年で22になるの。」
R「あのさ、別にコイツにそんなん言わなくても良いでしょ。」
K「これから一緒に暮らしていくんだから、大事な事だろ。」
R「それマジで言ってんの？」
―――・・ですよね。
こういう嫌な予感は、必ず当たる。
美幸さん、康介さんの息子さんであるのが・・蓮さん。
まるで、ゴミを見るかの様な目で私を見てくるこの人が、穏やかなお2人のお子さん。
この見た目だけは抜群に良い・・だけど明らかに性格に難がある彼と、
1年間一緒に暮らしていかなくちゃいけない、なんて。
何とか浮かべた笑顔が、引き攣っている気しかしない。
康介さんと蓮さんがやり合っているのが聞こえたけど、
正直、全然会話は入って来なかった。
M「あとは・・そう！3階にはもう1人居るの。」
A「・・え？」
M「私の姉の子だから、蓮のいとこに当たるんだけど。」
A「いとこ？」
M「基本的に自由人だから、家に帰って来たり来なかったり・・まぁ、あんまり気にしなくて良いわ！」
A「いやいや、そういう訳にはいかないでしょ・・！」
火花を散らす息子と旦那に目を向けず、ふわふわと笑う美幸さん。
この状況でこんなに能天気に振舞えるなんて・・この人、綺麗な上に度胸も凄い。
この家の勢力分布図が、この数分間で分かった気がした。
―――・・一旦、自分の為に情報を整理しよう。
私は本社から、片道3時間のここまで出向させられて来た。
何の為？ガタガタに落ちた支社の成績を立て直す為。
そこまでは状況飲み込めてる・・うん、大丈夫。
で、その会社が用意した住居は、
このめちゃくちゃお洒落なレストランがある一軒家で。
そこには、美しい奥様と、優しい旦那様がいらして。
・・性格はクソ悪いけど、綺麗な顔した3つ年下の男の子も居て。
何だかよく分からない、同居人ももう1人居るらしくて。
――――・・ここで、1年間暮らしていかなきゃいけないのだ。
A「・・無理かもしれない。」
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
