男の矜持 ページ36
ぶすくれた様に、私を上目遣いで覗く翔太くん。
A「えっと・・それは、その、つまり、」
S「・・・。」
A「・・嫉妬してます？阿部先輩に。」
S「はぁ？！」
A「ちっ、違いました？！すいません！！」
得意の想像力を総動員した結果、
突っ伏す体勢から起き上がった翔太くんに、勢いのままキレられる。
だって、『負けた気になった』とか言うから！
このドキッとした数秒間を返して欲しい。
可愛い顔から、治安の悪い顔へ。
翔太くんの体の勢いと語気の強さに、思わず謝罪が飛び出す。
R「・・分かりやす。」
A「え？」
R「別に。」
S「嫉妬じゃねーし！何で俺がお前の好きな奴に嫉妬すんだよ！」
A「奴って・・。」
S「俺が言いたいのは！その阿部先輩とやらと、俺への反応の差があからさま過ぎてどうなの？って事！分かる？」
A「はぁ・・。」
S「俺には裸見られても全然普通なのに、何でそいつには電話来た位であんな挙動不審になんの？最近やたら俺お前に避けられてたし、目合って話しかけようとしたらすげー逃げられるし、」
A「それは、」
S「なんっか気に入らねーわ。腹立つ！」
A「翔太くん・・。」
S「・・何で？俺、Aに嫌われる様な事した？」
・・子供みたいに、不安げな表情。
こっちが口を挟む間も無い位の、つらつらと並べられた私への文句。
怒ってますよというアピールだろうけど、
不貞腐れてる感じは、何となく寂しそうだった。
蓮さんとは昨日、多少無理矢理ではあったけど、話をした。
言われてみれば、翔太くんとちゃんと顔を合わせたのは凄く久し振りだ。
朝の怒涛の流れに巻き込まれて、そんな事も忘れていた。
あの日翔太くんに言われた内容が頭から離れなくて、
私はあれからずっと、2人に曖昧な態度を取っていたんだ。
いつもツンツン、意地悪に笑っている年上のお兄さん。
そんな翔太くんの本当の姿は、
今みたいな、少し寂しがりで、気にしいな可愛らしい男の人なのかもしれない。
A「―――翔太くん。」
S「何だよ。」
A「ごめんなさい。」
S「・・謝るって事は、避けてた自覚あんだな？」
A「あります。めちゃくちゃ。」
S「素直に謝られると、それはそれで腹立つわ。」
A「今日からはちゃんとします！」
蓮さんみたいに、避けてた理由を聞いてくる事は無いらしい。
ふわっと柔らかく口角を上げて、
翔太くんは頬杖を突いた。
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
