深層心理 ページ35
R「アベセンパイ、折り返さなくて良いの？さっき来てたじゃん。」
S「そんな好きなら今すぐ電話掛けろよ、ここで。」
隣と斜め、掛かって来るのは2人分の圧だ。
私の恋愛事情を面白がっている翔太くんと、
全く興味も無いだろうに、やたらグイグイ来る蓮さん。
―――この人、意外と恋バナとか好きなタイプなの？
さっきまで彼に熱心に読み込まれていたメニューは、
いつの間にか、机の端に追いやられていた。
貴重な長期休みを使ってまで来たかったレストランとか言ってたのに、
今現在蓮さんの関心は、100パーセント私に向けられている。
急展開過ぎて、
状況を打破するというより、時間を稼ぐ様な言葉しか出てこない。
A「こっ、ここでですか？」
S「あー・・俺らに見られたくない？」
A「そりゃそうですよ！」
S「だって興味あるし。Aの好きな人。」
A「それ、絶対面白がってるだけですよね？」
S「まぁそれもあるけど、純粋に気になんの！お前、俺らに全然気許さねーし。」
A「はい？」
S「ここまで来ればプライドっていうか・・何て言ったら良いのかが難しいけど。」
A「・・意味が分からないです。」
S「だからー、」
R「俺らに見向きもしないあんたの好きな人が、どんな男か知りたいって事。」
要領を得ない翔太くんの言葉へ、パズルが嵌った様に完璧な補足。
蓮さんのこの連携プレーは、
話の流れ的に、2人で事前に打ち合わせた訳じゃないと思う。
・・蓮さんも、知りたいって思ってくれてるって事？
『俺らに見向きもしない』ってのが若干気になるし、
きっとそんな高尚な女の子は、あの唯さん位だと思うけど・・。
私に見向きされた所で、困るのは蓮さんと翔太くんだろうに。
A「翔太くん、そうなんですか？」
S「・・蓮。そういう恥ずかしい事、お前よくサラッと言えんな。」
R「そう？」
A「・・翔太くん、」
S「そうだよ！！だって気になるじゃん！俺と蓮より良い男な訳？その阿部先輩とやらは！！」
A「ぎゃ、逆ギレしないで下さい！」
S「裸見られてもそんなに動揺してなかったお前が、電話来る位で意識飛ばす様な男が居るなんて知らなかったし、それに、」
A「・・・。」
S「・・なんか、負けた気になった。Aの事好きな訳じゃないと思うけど。」
白い肌が、だんだん朱に染まっていく。
いつも斜に構えてる翔太くんなのに、
急にやって来るデレは、本当、心臓に悪い。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2062人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
