恋とは？ ページ34
翔太くんの目には、純粋な好奇心が溢れていて。
話を切ろうと、助けを求める様に隣へ視線を逸らしても、
蓮さんは興味無さげに、メニューを再度吟味している。
―――やっぱり、この人は私に関心が無いみたいだ。
A「あ・・阿部先輩は、会社の先輩で、」
S「何個上？」
A「2個です。」
S「へぇー、俺と同い年じゃん。」
A「・・言われてみればそうですね。」
S「何？その、『阿部先輩とは全然違うな』っていう視線。」
A「いや！阿部先輩って凄い大人なので・・翔太くんは、そんな感じしないっていうか。」
R「じゃあ、きっかけは？」
A「へっ？！」
S「・・お前も聞いてたんかい。つーか、そんな感じしないってどういう意味だよ？」
冊子がバタンと閉じる音がして、予想外の人物が会話に入って来る。
翔太くんに失礼な事言ったのは分かっていたけど、
蓮さんの思いのほか前のめりな語気が、一瞬でそちらへと意識をシフトさせた。
独り言の様になってしまった翔太くんは、
咳払いをして、続きを促す様に真っ直ぐ私を見つめる。
A「きっかけ？」
R「好きになった理由とか。」
A「理由・・。」
S「優しかったからじゃねーの？」
A「え？」
S「お前そういうのに弱いじゃん。この間も似た様な事言ってたし。」
R「あぁー・・。」
A「あぁーって・・蓮さんも翔太くんも、私の何を知ってるんですか？」
S「ん？恋愛経験無さそうでチョロそうな所。」
―――何も言い返せない。
2人に知った様な口を聞かれムッとなったものの、
翔太くんのド直球な返答に、ぐうの音も出ない。
たった1か月一緒に暮らしただけで、
私の恋愛偏差値が底辺を這っているのは、看破されていたみたいだ。
阿部先輩に憧れたのは・・そう、翔太くんの言う通り優しかったから。
あんなに誰よりも仕事が出来たら、
傲慢になって、他人にも厳しくなるのが道理だと思う。
だけど阿部先輩は、いつも誰よりも優しくて。
慣れない仕事にテンパる私を、
ニコニコと励まして、支えてくれていた。
私にだけじゃない・・そんな事は、百も承知だけど。
いつか、あの人の隣に並んで、同じ仕事が出来る様になりたい。
だから元居た場所から離れて、ここまでやって来たのだ。
R「・・話聞いてる？」
A「えっ？」
R「アベセンパイ、折り返さなくて良いの？さっき来てたじゃん。」
S「そんな好きなら今すぐ電話掛けろよ、ここで。」
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
