ネホハホ ページ33
今までにない独特な雰囲気が車内を包む中、
ナビは、無事目的地に着いた事を知らせてくれた。
蓮さんの言う通り、外観は途轍もなくおしゃれ。
白を基調としたレンガ調で、別荘地ならではの植物に囲まれた敷地内。
大きく看板を掛けている訳でも無いここは、
パッと見レストランというより、センスの良い一軒家という感じだった。
―――ちょっと、【Parrot's beak】・・うちのお店に、雰囲気が似てる。
お店は翔太くんが予約をしていてくれたらしく、
店員さんに名前を言うと、かなり奥まった個室に案内された。
・・予想はしていたけど、2人はかなり注目を集めていて。
店内の女性達はこちらを見て、頬を染め、高い声で噂立てている。
2人に付いてこそこそ歩いている自分が、居たたまれなくなった。
S「俺ハンバーグにするわ。2人は？」
R「パスタかな・・1番有名らしいし。」
4人掛けのテーブル席。
蓮さんと翔太くんはそれぞれ向かい側に座って、
一瞬、自分がどこに座れば良いのか分からなくなった。
・・問答無用で、翔太くんが隣に自分の荷物を置くまでは。
さっきの車内と同じ席順で、メニューを見る。
翔太くんの頼んだハンバーグも、蓮さんが有名だと話すパスタも捨てがたい。
S「Aは？」
A「うーん・・。」
S「早くして下さーい。」
A「そんな無茶な・・！」
R「もうオムライスで良いじゃん。」
A「はい？」
R「え、好きでしょ？」
A「好き、だけど・・。」
間違いなく蓮さんは、
私が悩んでいる時間を面倒に思って、そう言っただけだ。
だけど何故か、私が気に入っているものを覚えてくれていたという事実に、
物凄くグッと来てしまっている自分が居た。
ただそれと同時に、そんな自分に狼狽える。
・・さっきまで阿部先輩に動揺してたのに、
この手のひら返した様なむず痒い感じは、一体何なんだろう。
緊張感をどうにか逃がそうと、店員さんが注文と同時に持って来てくれた水を口に含む。
S「―――で、阿部先輩って誰？」
A「ぶっ・・！」
吹き出しそうな所を危機一髪、手のひらで抑える。
零れる雫が指先を通り過ぎ、急いでお手拭きを取った。
R「うわ・・ねぇ、何やってんの？」
A「げほげほっ・・な、何ですか急に？！」
S「聞くでしょそりゃ。普通に気になるし？」
A「気になるって・・。」
ニヤニヤ笑っていただけの翔太くんが、肘を突いて前に乗り出してくる。
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
