路上教習 ページ31
見た目通りハイテクな車のエンジンを掛け、
3つのミラーを、しっかり位置確認。
運転するのなんて本当に久し振りで、
しかも走り慣れていない道を走行するなんて、怖くて仕方ない。
座席とハンドルの場所まで合わせて、最後にもう1度左右を確かめる。
S「・・ねぇ、まだ？」
A「ちょっと黙ってて下さい。」
S「なぁ、俺まだ死にたくないんだけど。」
R「・・翔太くん、まじで大丈夫？この人に運転任せて。」
S「今からでも運転代わ―――・・」
A「よし！じゃあ、出発します。」
右足を、アクセルへ踏み込む。
予想以上に初速が良くて、車は大通りへ勢い良く飛び出した。
・・眠そうだった翔太くんが、
驚き体を硬直させたのが、バックミラー越しに見えた。
R「・・次の信号で右。」
A「了解！」
S「お前、次はちゃんと後ろ見ろよ。」
A「分かってますって。」
しばらく運転していると、何となく感覚を思い出して来て。
ナビを見つつ蓮さんに従いつつ、順調に距離を伸ばしていく。
ゴールデンウィークだと言うのに、思いのほか道は空いていた。
翔太くんは私の運転に全く信用が無い様で、
眠る所か、始めから良く通る声で文句ばっかり。
車線変更で後続車に気付かなかった時なんか、
『何やってんだよ！』と、キレ気味で思い切り座席を蹴られた。
・・蓮さんじゃないけど、うるさい。
最近は顔を出さなかった5歳児ぶりが、遺憾なく発揮されている。
反対に蓮さんは、
最初ビビる素振りを見せたものの意外にちゃんと運転を補佐してくれていて。
ぎゃーぎゃー騒ぐ翔太くんを宥めながらも、
良いタイミングでこちらに指示をしてくれる。
窓から入る風へ、うざったそうに目を閉じる姿も絵になって、
その隣で運転するのは、ちょっと心臓に悪い。
・・その風に乗って、めちゃくちゃ良い匂いもするし。
香水なのか整髪料なのか分からないけど、さっきから甘い香りが鼻腔を擽る。
A「そもそも、これどこ行くんですか？」
S「取り敢えず、蓮が行きたがってた所で昼飯。」
A「昼飯？」
S「店も料理も洒落てるんだって。」
A「へぇー・・。」
R「前から気になってて。こういう機会じゃないと行けないし。」
S「お前本当勉強熱心だな、感心するわ。」
R「・・うるさいよ。」
頬杖に乗っていた顔を、ぷいっと外へ向き直す。
翔太くんに褒められて悪態つく時も、
蓮さんの反抗する言葉は、語彙力低めだ。
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
