形勢逆転 ページ26
掴まれた左手首に、蓮さんの高い温度が伝わってくる。
脈打つ速度はグングンと上がっていて、
きっとそれにも、彼は気付いているはず。
いつもより近くから覗く蓮さんの冷たい表情は、
あの日、私が揶揄い半分に唯さんとの事を尋ねた時以来だ。
A「・・え？」
R「翔太くんから何か聞いたんでしょ？じゃなきゃ、いきなりそんな態度にならない。」
A「べっ！別に、何も聞いてないよ！」
R「・・今目逸らした。」
A「うっ・・！」
大きな手が触れている所から、熱が全身を回って、
頭が上手く働いていない気がする。
あの日彼と目が合ったベランダから入って来る朝日が、
角度を変えて、私達2人を容赦なく照らした。
これを聞いて、蓮さんは私をどうしたいんだろう。
物理的にも精神的にも追い詰められ、もう逃げられないと悟った。
A「・・唯さんとのこと、翔太くんに聞いたの。」
R「・・・。」
A「そしたら、翔太くんに・・気になる事言われて。」
R「気になる事？」
A「蓮さんと唯さんは恋じゃないとか、翔太くんは好きになったら優しく出来ないとか・・。」
R「・・2つ目は関係無いだろ。」
A「そっ、そんな意味分かんない事色々言われたら、頭パンクするよ！」
もはや、最後は逆ギレに近かった。
自分で言ってても分かるけど、本当に蓮さんは何も悪くない。
私が勝手に意識してぐるぐる考えて、それを隠しきれなかっただけ。
―――翔太くんの言葉をきっかけとして、
自分本位に、2人を異性だと意識してしまっただけだ。
A「もう良いでしょ・・特に蓮さんは、私にどんな態度取られたって関係ないじゃん。」
R「・・は？」
A「私の事嫌いだし。」
R「・・・。」
A「お休み中顔合わせるのは、本当ごめん・・けど出来る限り、蓮さんに会わない様気を付けるから。」
R「・・・。」
A「だ、だから、手を放して貰えると・・。」
強気な始まりから、
最後は、許しを乞うみたいに言葉がつっかえる。
勢いに合わせる様垂れ下がってしまった顔から、
何も反応してくれない蓮さんを見上げた。
R「・・嫌い、」
パチパチと瞬きをしながら、その意味を噛み締める様に呟く。
―――予想してたリアクションと、大分違った。
本当に何を言われているか分からないという表情で、
真っ黒な瞳に、もう1度私を映す。
暫くすると納得いく答えが出たのか、
蓮さんは、ゆっくり口を開いた。
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
