洪水警報 ページ25
K「・・じゃあ、行ってくるね！」
M「蓮と翔太のことよろしくね。」
―――行ってしまった。
気まずい数週間の中で頼りにしていた2人が、
楽しそうに車に乗り込んでいく。
A「・・行ってらっしゃーい！」
玄関まで降りて来て、
美幸さんと康介さんを見送るのは私だけ。
遂に迎えたゴールデンウィーク初日。
蓮さんはまだ爆睡中、
翔太くんに関しては、昨日から家に帰っていない様だった。
A「・・どうしよっかな。」
徐々に生活にも慣れてきたとは言え、
まだ、こっちで予定を潰せる知り合いなど居ない。
岩本さんは実家に戻るって言ってたし・・
多少親に嫌な顔される位なら、私もそうすれば良かった。
――――お2人が居ないという事は、つまりお店も期間中お休みな訳で。
即ち、どちらかが出掛けない限り、翔太くんが戻って来ない限り、
ずっと蓮さんと2人きりで過ごさなきゃいけない事になる。
あんな意味深な発言を放った翔太くんはともかく、
蓮さんは、最近の私の様子に明らかに不信感を持っていた。
・・そりゃそうだ、
蓮さんは、私に対する態度も前から特に変わっていないのだから。
突然私が目を泳がせる様になったり、
顔を合わせまいと家中を逃げ回ったり。
子供かよ、って自分に突っ込みたくなるけど、
何故か行動が感情に引っ張られてしまう。
R「2人もう行ったの？」
取り合えず部屋に戻って作戦を練る為、
寝ている彼を起こさない様、階段を足音立てずに上り切ると。
・・タイミング悪く起きて来た蓮さんと、鉢合わせてしまった。
見た所全然眠そうじゃないし、
朝から眼光鋭いし・・これ絶対、大分前に起きてたんじゃないの？
腕を組んで壁に凭れ掛かるその姿は、
ここに来た当初も見かけた気がする。
―――平常心。
落ち着けば、ちゃんと話せる。
ゆっくり深呼吸をし、蓮さんを見上げた。
A「う、うん。」
・・短っ！！
自分で言っといて、この返答は無い。
しかもたった2文字で噛んだし、動揺隠すの下手過ぎでしょ！
R「・・・。」
A「・・はは、じ、じゃあ、お疲れ。」
即撤収、今はそれに限る。
いつもの3倍の速さで足を動かし、
蓮さんの目の前をすたすたと通り過ぎた、その時。
R「・・翔太くんに、何聞いた訳？」
ぐいっと、手首が掴まれ引き寄せられる。
整った顔が、思った以上に近い。
漆黒の瞳に映る自分は、
何でこんなに、惚けた顔をしてるんだろう。
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
