解明せよ ページ22
翔太くんが頼んだパスタが来る頃には、
店内のお客さんは、かなり少なくなっていた。
目をキラキラさせる彼越しに、
まだ、唯さんの姿が見える。
カウンターを挟んで蓮さんと談笑する姿は、カップルにしか見えない。
A「・・あの、翔太くん。」
S「ん？」
A「蓮さんと唯さんって、やっぱり付き合ってるんですか？」
もぐもぐと口を動かしていた彼の動きが、ぴたりと静まる。
・・分かりやすいな。
蓮さんからの一方通行だと思っていたけど、
私の予想は違ったみたいだ。
A「えっ、付き合ってるんですか？！」
S「声でけぇわ、しかも付き合ってない！」
A「翔太くんも声大きいですって！！」
S「・・やべ。」
A「って事は、やっぱり蓮さんの片想いか・・。」
なみなみに注がれた水を一口挟む。
昨日聞けなかった疑問を思わぬ場面で解決出来て、
何だか私はそのまますっきりしてしまって。
思う事はただ一つ、
スーパーイケメンへの耐性を備えた唯さんへの、尊敬の念だった。
私のボロネーゼに手を出す程お腹が減っていた翔太くんが動きを止め、
考え込む様に幾度か瞬きを落とした事にも気付かない。
S「・・本当に、あの子の事好きなのかな。」
―――左隣から、そんな呟きが聞こえるまでは。
A「え・・？」
S「だから、蓮は本当にあの子の事好きなのかなって。」
A「えっと・・逆に、翔太くんは何でそう思うんですか？」
S「・・・。」
A「だってあんな優しい顔で見てるし、好きじゃなきゃあんな顔しなくないですか？」
完全に、食べ進める手が止まってしまっている。
今でも私の視界には、仲睦まじい2人の姿が映っているのに、
翔太くんは一瞬そちらに顔を向けたら、もう既に興味が無さそうだ。
・・代わりに、ニヤニヤと頬杖を突いて私を見つめる。
S「何も分かってねーな・・これだからお子様は。」
A「はい？」
S「だから、蓮とあの子のあれは、恋でも何でも無いだろって。」
今度は、私が瞬きを落としてしまう。
常に簡潔で分かりやすい話し方をする翔太くんだけど、
今回はそれがアダになって、意味不明だ。
どう見たって、蓮さんは唯さんに恋していると思う。
私に対する態度は論外としても、
彼女に向ける姿勢は、いつだって特別誠実で、甘い。
あの溶けた目が、答えみたいなものでしょ。
思考がまとまらず百面相をしているであろう私に、
翔太くんは再度口を開く。
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
