カワイイ ページ20
A「唯さんだ・・。」
明るい店内の中で、
彼女の居る場所だけ、眩いライトが当たっている様な。
まるで、敷居の高いお店に飾られている可憐な人形みたいな。
唯さんが座っている所だけ、特別な雰囲気を保っている。
――――・・ガタン！
A「うわっ？！」
R「注文は？」
A「蓮さん・・！」
彼女に見惚れている私へ、横槍を入れる様な衝突音。
後ろから勢い良く水とメニューが置かれて、
振り向くと、不機嫌そうに立つ蓮さんが居た。
―――めちゃくちゃ気まずいな、これ。
A「えっと・・メニュー、私が決めて良いの？」
R「シェフがあんたに気遣ってんでしょ。暇じゃないからさっさと決めて。」
A「え・・ちょっと待って、」
R「あと3秒。」
A「まっ、待ってってば！」
蓮さんは痺れを切らしたかの様に、
私が急いで開いたメニューを回収しようとする。
待つ秒数数えるって、子供じゃないんだから・・！
大人びた見た目とは違い、彼は接してみると意外と幼い。
難しい名前が並んだ料理名も相まって、
焦って、パッと頭に浮かんだ言葉をそのまま口に出してしまう。
A「オムライス！」
一息で告げたそれは、
まさに昨日、蓮さんに作って貰った料理だった。
ふわふわに溶けた卵、繊細なデミグラスソースにバターライス。
昨日は色々あってちゃんと言えなかったけど、
間違いなく、今まで食べた中で1番美味しいオムライスだった。
その味は予想以上に記憶にこびりついていて、
気持ちが急いでいる中で、最初に思いつく位に印象深い。
指定された3秒以内に言えた安心感で、
少し驚いた顔でこちらを見る蓮さんに、満面の笑みを向けてしまう。
―――何故か、きまり悪そうに目を逸らされた。
R「・・オムライス、メニューに無いんで。」
A「え？」
R「食えれば何でも良いでしょ。早く貸して。」
A「あ、ちょっと！」
メニューを回収して、さっさと厨房に戻ってしまう。
今はもうこちらに背中を向けているから、
蓮さんがどんな表情をしているかは分からないけど・・あれ、絶対照れてたでしょ？
反応を見られるのが恥ずかしくて、この場から退散した感満載だった。
だってほら、
綺麗にセットされた髪型から覗く両耳が、やんわり染まっている気がする。
あれ絶対、料理褒められて照れてるじゃん！
スーパーイケメン、恐るべし。
可愛い一面まで持ってるなんて、ズル過ぎる。
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
