胸きゅん ページ17
―――・・何？今の。
翔太くんが居なくなった部屋で、手は止まったまま。
お風呂で固まるの2日連続だ・・なんて、本当にどうでも良い事が頭に浮かぶ。
朝の忙しい時間に、
こんなぼーっとしている暇など無いのに。
近付いてくる軽快な足音にも気付く事が出来ない。
R「・・いつまで洗面台使ってんの？」
A「ひっ？！」
背後から現れる人にビビるのは、本日2連続だ。
今度は、真っ黒なトレーニングウェアに身を包んだ蓮さんが立っている。
今まで走っていたのか、
セットする前のさらさらな髪の毛に、少し汗が滴っていて。
昨日のシャツとエプロン姿以上に、色気の暴力。
今だって、上着のファスナーを開けて洗濯機に放り込んだだけなのに、
何だか物凄く恥ずかしいものを見ている気分になってしまって。
蓮さんのその仕草へ、目が奪われてしまう。
R「・・何？」
A「え？な、何がですか？」
R「・・だから、」
A「・・・？」
R「・・別に見たいなら良いけど、昨日みたいにデカい声出したらキレるから。」
面倒臭そうに私から視線を逸らし、着ていたTシャツに手を掛ける。
腕を前で交差させ、流れる様にその裾を持ち上げた瞬間。
チラリと姿を覗かせる鍛えられた腹筋に、思わず近くにあった化粧ポーチで目を隠した。
A「ちょっ、ちょちょちょ、ちょっと・・！」
R「何？」
A「ぬっ、脱ぐの？今ここで？！」
R「だからそう言ってる。」
A「ひっ、一言も聞いてない！」
R「朝から本当うるさい・・。」
A「そっちがいきなり脱ぐからじゃん・・！そ、それ以上はダメ！ストップ！！」
私の必死の抵抗で、取り合えずはTシャツから手を放してくれる。
汗かいてるからシャワー浴びたいのは分かるけど、
枯れた20代女子には、朝から刺激が強過ぎるんだって。
昨日の翔太くんの気持ちがやっと分かった。
これ・・見せられた側も相当恥ずかしいし、相当動揺する。
R「・・照れてんの？」
A「そ、そりゃびっくりするでしょ！」
R「・・・。」
静かになった背後を伺う様に、少しだけポーチをずらして瞑っていた目を開く。
・・その顔、絶対めちゃくちゃバカにしてるやつだ。
あの子に向ける甘い笑顔とは正反対、
蓮さんは眉毛を下げて、握った右の拳を鼻の前に添えて。
声にならない笑い声を漏らしていた。
―――・・また揶揄われてる！
恥ずかしさが極限突破して、ダッシュで浴室を出た。
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
