偽5歳児 ページ13
私と彼の大きな声は、どうやら1階のお店にまで響いていた様で。
何事かと、誰かが階段を上がって来る。
・・この軽快な足音は、きっと蓮さんだ。
R「今営業中なんだけど・・静かに、」
ガラッと大きな音を立てて、浴室の引き戸が開く。
硬化した私達2人を目前に、今度は蓮さんが固まる番だ。
怒るつもりで来たんだろうけど、
この展開は予想していなかったらしい。
前をタオルで隠しただけの私を見て、
少し目を見開き、焦った様に視線を逸らす。
・・顔、真っ赤。
予想外の反応に、裸を見られたはずの彼を忘れて蓮さんを見つめてしまう。
?「蓮、不審者！不審者が風呂入ってんの！！」
R「ちょ・・翔太くん、落ち着いて。」
?「落ち着けねーって！何これ、嫌がらせ？露出狂の不審者！！」
A「しょ、しょうた、くん・・？」
S「は？お前誰だよ、つーか不審者に名前呼ばれたぁー！」
R「翔太くん、一回落ち着いて・・つーかあんたも早く服着ろって！」
バサッと、近くに置いてあったスウェットを投げられる。
未だに動揺をしている翔太くん？の肩に腕を回し、
蓮さんは、あからさまにこちらを見ない様、浴室を出て行った。
勢い良く閉められた引き戸は、途轍もなく大きな音がした。
A「・・お風呂ありがとうございました。」
2階にある、共用スペースのリビング。
主にこの階はご夫婦が使われていると聞いたけど、
何かを話し合う時、皆で集まる時は、ここを使うらしい。
大きなダイニングテーブルに頬杖を突きながら座る彼と、
壁に凭れ掛かって腕を組み、立ち上がったままの蓮さん。
―――目が合うと、思いっ切り顔を逸らされた。
S「・・渡辺翔太。」
A「え？」
S「俺の名前。・・アンタは？」
A「あ・・えっと、AA、です。」
S「ふーん。Aね、分かった。」
どこから話をすれば良いのか分からず、その場で視線を彷徨わせていると。
驚くことに彼の方から話を振ってくれて、自己紹介の流れになる。
私が服を着ている間に、
蓮さんによって不審者の汚名は晴らされていた様だ。
お風呂場で会った時の動揺は既に消えていて、
持ち直す様に冷静な語り口で、渡辺さんは続ける。
S「俺、蓮のいとこなの。」
A「え？渡辺さんが？！」
S「渡辺さんって・・気持ち悪い。さん付け苦手なんだけど。」
A「じゃあ・・何と呼べば？」
至って無表情で、彼は答えた。
S「翔太くん。」
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
