同居人S ページ12
R「―――食い終わったならさっさと出て行って。もう夜の営業始まるから。」
A「・・何だったの、あれ？！」
もくもくと湯気が上がるお風呂に浸かり、数時間前の出来事を思い出す。
キスなんて甘い響きじゃ治まらない行為を受け、
思考回路が真っ白になって曇った視界の中で。
温度の無い視線を、しゃがみこんでしまった私に向けてきた蓮さん。
・・唖然とする私なんて見えていないかの様に、
そのまま踵を返して厨房に戻って行ったのは、言うまでもない。
A「あぁー！もう！！」
頭の中は、勿論アイツでいっぱいだ。
何の感情も無かったとは言え、キス、したんだし・・この情緒はどうにもならない。
キスしたのなんて、何年振りだろう。
少なくとも大学卒業してからずっと阿部先輩に憧れてたし・・それって、3年は経ってるって事じゃん。
そもそも覚えてない時点で、経験の乏しさを物語ってる。
しかも相手は、あのスーパーイケメンだ。
あんな綺麗な顔した人にキスされたら、
誰だって、こんな状態になるに決まってる。
好きとか嫌いとか、そういう感情は一切関係なく、
誰だって、ぼんやりと感触に浸ってしまうに違いない。
―――このまま考え込んでても、のぼせるだけだ。
A「さっさと出よ・・。」
美幸さんが気を利かせて、あの後お風呂を沸かしてくれていて。
ディナーの営業中に入っちゃって！と、にこやかにタオルを渡された。
・・これからお風呂も、アイツと一緒なのか。
いやいや言い方！別に一緒に入る訳じゃないし！！
自分で自分に突っ込んで、すりガラスになっている浴室のドアを開けた。
?「・・・あ、」
浴室と一緒になっている洗面台。
完全に油断していた。
真っ裸で扉に手を掛けたまま、固まる私。
手洗いうがいを終えて、タオルを手に持ったまま動きを止める彼。
・・一瞬、私の胸元に目線を下ろした、気がした。
「「ぎゃー−−−−−−−−！！！！！」」
この状況で、何でそっちまでそんな悲鳴？！
扉に掛けていたタオルで、急いで体を隠す。
目の前の彼も、焦った様に手を拭いていたタオルで目を隠した。
A「だっ、だ・・誰？誰ですか？！」
?「そっちこそ誰？！」
A「ふ、不審者が、手洗いうがいしてる・・？！」
?「不審者が風呂入ってる！何で？え、パニックパニック！！」
2人して、この状況に動揺。
彼の真っ白な耳が、どんどん染まっていく。
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瑠璃 - 面白いです！続きをまっています！更新がんばってください (9月12日 5時) (
レス) @page50 id: 8b59f5379b (このIDを非表示/違反報告)
綾乃(プロフ) - 更新待ってます、、、 (2023年3月14日 1時) (レス) @page50 id: f5add56306 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかちゅう - もう更新されませんか？ (2023年3月4日 23時) (レス) @page50 id: b911419e01 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - ドラマ見てるみたいで楽しく読ませて頂きました！続きが気になりすぎますᰔᩚ ᥫᩣ (2023年1月22日 1時) (レス) id: 086f2092e1 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤ(プロフ) - はじめまして。続きが楽しみで、読み返してしまいます。更新を楽しみにしています。 (2022年8月30日 13時) (レス) id: 1cdd29dcae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xion | 作成日時：2022年5月11日 13時
