８話 デートはデパートで ページ10
*零side*
「ところで、どこに行きたいんだ？」
15時過ぎのまだこんなに明るい時間から、Aと２人きりで出掛けるなんていつぶりだろうか。
今日はポアロのシフトだけで良かったと、つくづくそう思う。
「……杯戸ショッピングモール」
「！」
「なんてね…」
「A、お前…」
助手席の方を見れば、Aは切なげに窓の外を見ていた。
Aは俺の視線に気付き、ふっと、力ない笑みを向けてくる。
「米花デパートでお願い」
「あぁ…」
杯戸ショッピングモール。
『あれ』からもう、３年になるのか…
「……ねぇ、零」
「ん？」
「もし、いつか……私がちゃんと前を向けるようになったら…。その時は杯戸モールに、一緒に行ってくれる…？」
「当たり前だろ」
「ありがとう…」
今にも泣きそうな、でも反面安心した様な。
何とも言えない表情で、Aは微笑む。
俺はそっと、Aの頭にポンと手を置いた。
「…！」
「米花デパートって、確か最上階に良いレストランあったろ。今夜は贅沢にいくか」
「……賛成。勿論零の奢りよね？」
「そりゃあ、デートだからな」
「ふふっ。さっすが零。最高！」
そう言って無邪気に笑うAは、まるで無垢な少女の様で。
「……ふん、知ってるよ」
安いもんだ。
外食１つで笑顔になるAも。
Aの笑顔１つで、幸せになる俺も───…
**
「どう？似合ってるかしら？」
「……。」
「零？」
Aが試着してみせたのは、ロイヤルブルーのフロア丈ドレス。
服の買い物とはどうやら、私服ではなく潜入時のドレスだったらしい。
「……出しすぎじゃないか？色々と…」
ホルターネックは胸元でクロスされ、谷間が強調されている。
深いスリットから惜しみなく伸びた、しなやかな長い脚。
腰まで開いた背中。
くびれから太ももまで、くっきりと浮き出るライン。
鮮やかなブルーに、白い肌がよく映える。
過度な露出のドレスさえも、Aが着ると気品が溢れるから不思議なもんだ。
素直に美しいと思った。
……だが、正直、目のやり場に困る。
「イブニングは露出する程フォーマルなんだから。ベル姐さんので見慣れてるでしょ？」
「それはまた別だろ…」
「もう。似合う似合わないで言ったら？」
「……似合ってるさ。凄く」
「素直でよろしい」
そう言って、満足そうに笑うA。
本当に、綺麗だ。
誰にも見せたくないと思う程に───…
*
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ゆかの(プロフ) - リンリンさん» リンリン様！初コメありがとうございます！！アッ…そんな…泣いてくださったのですか(; ;)！？感激過ぎて全私が泣きました…(TT)←精一杯更新頑張りますので、ぜひまた遊びにいらしてくださいませ！ (2018年6月27日 13時) (
レス) id: 2d500e497d (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 初コメ失礼します！とっても面白いです！涙無しじゃ読めないです！気がついたら泣いてました（笑）更新楽しみにしてます！ (2018年6月27日 2時) (レス) id: af982d2a03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかの(プロフ) - ＊°_梨紅葉さん» 梨紅葉様！初コメありがとうございます！！なんて恐縮なお言葉でしょうか…！文字書き冥利に尽きます…！本当にありがとうございます！！これからも精一杯更新頑張ります(｀・ω・´)ゞぜひまた遊びにいらして下さい！ (2018年6月21日 8時) (レス) id: 2d500e497d (このIDを非表示/違反報告)
＊°_梨紅葉(プロフ) - 初コメ失礼します！名探偵コナンのいろな小説を今読んでいますが、この小説が1番大好きです！更新楽しみに待ってます！ (2018年6月20日 19時) (レス) id: cec72675c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかの(プロフ) - しろさん» しろ様、嬉し過ぎるお言葉ありがとうございます…！！ほんともう感激過ぎます…！松田さんもなんですが警察学校組は本当に生きてて欲しかったと思います…(泣)過去編！ご期待に応えられる様に頑張ります！！ぜひまた遊びにいらしてください！ありがとうございました！ (2018年6月14日 10時) (レス) id: 2d500e497d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆかの | 作成日時：2018年6月1日 12時
