20話 好きと言えたら ページ23
*零side*
『降谷、Aを頼んだぜ』
忘れもしない、３年前の11月７日。
それが松田からの、最後のメールだった。
『どういう事だ、松田。何があった？』
俺のメールに、あいつからの返信はなかった。
そして知った。
警視庁警備部機動隊の爆発物処理班元エースだったあいつが、爆死したという事を───…
「ふぅ……」
俺は墓前にAを残し、１人車に戻る。
Aが松田の墓参りに行くのは、決まって７日の命日と、ハニートラップの任務が下った時だった。
更に言えば、Aが煙草を吸うのもその時だけ。
Aは元々、喫煙者じゃなかった。
あいつが煙草を吸い始めたのは、確か、松田が殉職してからだったはず。
“これ吸ってると、陣平と一緒に居る気分になるんだよねぇ…”
Aの中に、未だに松田の存在が大きく占めている事を、俺は知っている。
Aが松田に別れを告げた理由。
別れてからも、２人が互いを想い合っていた事も。
Aがまだ松田を愛しているという事も、全部わかってる。
同期の友人としても、同じ警察官としても、１人の女としても。
俺は、松田を好きなAが、好きなんだ……
“降谷さんとAさんは、どういったご関係で？”
ふと、風見の言葉を思い出す。
Aは警察学校時代からの同期で、ただの同居人。
友人の元恋人で、俺がもう何年も片想いしてる奴。
殉職していったあいつらの分まで、俺が命をかけて守りたい人。
“てっきり、恋人同士なのかと…”
そんなの、正直願ってやまない事だ。
だが恐らくAは、もう恋愛する気はないのだろう。
だから俺との同居も受け入れた。
Aが愛する人は、松田だから。
それはきっと、これからもずっと。
だが、それでいい。
それがいい……そう、思うのに。
“Aさん。好きです。僕と付き合って下さい”
どんな形でも、Aに好きだと言える安室透が、どうしたって羨ましくて。
降谷零として、いつかAに言えたら…
「なんて、な…」
降谷零と千代田Aの関係は、恋人でない方がしっくりくる。
なんせ俺の恋人は、この国なのだから───…
「……零、お待たせ」
「いや全然。もういいのか？」
「えぇ。もう大丈夫！」
そう言って微笑むAの目は、赤かった。
泣いた事を必死に誤魔化そうとするAの健気さに、チクリと胸が痛む。
Aが泣くのは今も昔も、松田の前でだけだから───…
*追憶の紫煙編 �� *
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ゆかの(プロフ) - リンリンさん» リンリン様！初コメありがとうございます！！アッ…そんな…泣いてくださったのですか(; ;)！？感激過ぎて全私が泣きました…(TT)←精一杯更新頑張りますので、ぜひまた遊びにいらしてくださいませ！ (2018年6月27日 13時) (
レス) id: 2d500e497d (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 初コメ失礼します！とっても面白いです！涙無しじゃ読めないです！気がついたら泣いてました（笑）更新楽しみにしてます！ (2018年6月27日 2時) (レス) id: af982d2a03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかの(プロフ) - ＊°_梨紅葉さん» 梨紅葉様！初コメありがとうございます！！なんて恐縮なお言葉でしょうか…！文字書き冥利に尽きます…！本当にありがとうございます！！これからも精一杯更新頑張ります(｀・ω・´)ゞぜひまた遊びにいらして下さい！ (2018年6月21日 8時) (レス) id: 2d500e497d (このIDを非表示/違反報告)
＊°_梨紅葉(プロフ) - 初コメ失礼します！名探偵コナンのいろな小説を今読んでいますが、この小説が1番大好きです！更新楽しみに待ってます！ (2018年6月20日 19時) (レス) id: cec72675c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかの(プロフ) - しろさん» しろ様、嬉し過ぎるお言葉ありがとうございます…！！ほんともう感激過ぎます…！松田さんもなんですが警察学校組は本当に生きてて欲しかったと思います…(泣)過去編！ご期待に応えられる様に頑張ります！！ぜひまた遊びにいらしてください！ありがとうございました！ (2018年6月14日 10時) (レス) id: 2d500e497d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆかの | 作成日時：2018年6月1日 12時
