９話 ベランダでの約束 ページ11
*零side*
「はぁ……お腹いっぱい。本当に美味しかったわ」
米花デパートを後にして、帰路を走る。
すっかり夜になり、見慣れた街のネオンが流れていく。
「でもお昼にヨーグルトムース２つも食べたのに、零が半分個してくれるからってデザートも食べたのは、流石にやり過ぎたかも…」
「たまにはいいだろ。それにしても、デザート美味かったな。ヨーグルトとベリーソースの酸味が絶妙だった」
「ほんとに。あれきっと、ソースにはバルサミコ酢が入ってるわね」
「なるほど、あのコクはバルサミコか…」
なら今度俺も、ベリーソースを作ってみるかな。
冷凍のベリーミックスに、砂糖か蜂蜜を入れて……あ、カシスリキュールもいいな。
後はブランデーも入れて…
「ふふっ。何考えてるの？」
「え……あぁ。今度ベリーソースを手作りしてみようと思って」
「すっかり安室さんね。……ほんと、今日は色々とありがとう、零。凄く楽しかった…」
Aは噛み締める様に、そう言った。
横目に捉えたAの表情は、心なしか寂しそうで。
「そんな、俺の方こそ───…」
**
帰宅し、俺は風呂から上がった。
リビングのドアを開けると、そこにAの姿はなく、閉めていたはずのベランダのカーテンが開いていた。
「A…」
ベランダの窓越しに、煙草を片手に黄昏ているAの後ろ姿を見つめる。
あれは、あいつ……松田と同じ銘柄。
俺は堪らず、ガラリと窓を開けた。
「零、どうしたの？」
「いや…な」
「吸い終わるまで中にたら？せっかくお風呂入ったのに、臭いつくよ？」
「構わないさ」
俺は窓を閉め、Aと肩を並べる。
Aは申し訳なさそうに紫煙を吐いて、火を消した。
「……ヨーグルトムース」
「？」
「勿論ディナーも美味しかったけど、零が作ってくれたハムサンドとヨーグルトムースの方が、美味しかったかなぁ…」
「おいおい。高級レストランの料理と並べるもんじゃないだろ…」
「それくらい美味しかったって事よ。特にヨーグルトムース。毎日でも食べたいくらい…」
「あんなので良かったら、いつでも作ってやるよ」
「ほんと？じゃあ、また今度作ってよ。ベリーソースも添えて」
「あぁ。飽きる程作ってやる」
「嬉しい。ありがとう。約束ね」
「約束する。だから…」
俺は、Aを抱き締めた。
「零…？」
「だから、Aも約束しろ…」
無事に、俺の所に帰ってくると───…
*
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ゆかの(プロフ) - リンリンさん» リンリン様！初コメありがとうございます！！アッ…そんな…泣いてくださったのですか(; ;)！？感激過ぎて全私が泣きました…(TT)←精一杯更新頑張りますので、ぜひまた遊びにいらしてくださいませ！ (2018年6月27日 13時) (
レス) id: 2d500e497d (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 初コメ失礼します！とっても面白いです！涙無しじゃ読めないです！気がついたら泣いてました（笑）更新楽しみにしてます！ (2018年6月27日 2時) (レス) id: af982d2a03 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかの(プロフ) - ＊°_梨紅葉さん» 梨紅葉様！初コメありがとうございます！！なんて恐縮なお言葉でしょうか…！文字書き冥利に尽きます…！本当にありがとうございます！！これからも精一杯更新頑張ります(｀・ω・´)ゞぜひまた遊びにいらして下さい！ (2018年6月21日 8時) (レス) id: 2d500e497d (このIDを非表示/違反報告)
＊°_梨紅葉(プロフ) - 初コメ失礼します！名探偵コナンのいろな小説を今読んでいますが、この小説が1番大好きです！更新楽しみに待ってます！ (2018年6月20日 19時) (レス) id: cec72675c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかの(プロフ) - しろさん» しろ様、嬉し過ぎるお言葉ありがとうございます…！！ほんともう感激過ぎます…！松田さんもなんですが警察学校組は本当に生きてて欲しかったと思います…(泣)過去編！ご期待に応えられる様に頑張ります！！ぜひまた遊びにいらしてください！ありがとうございました！ (2018年6月14日 10時) (レス) id: 2d500e497d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆかの | 作成日時：2018年6月1日 12時
