拾った18 ページ19
「…クロノ…」
控えめにひょっこりと顔を覗かせたのは壊理ってガキ。
頭に小さなツノが生えてて、包帯ぐるぐる巻きの…常に怯えたような顔をしたヤツ。
クロノはしゃがみこんで「へい」と言った。
「どうしやした、エリさん？」
「夢ちゃんが、ズボンがいいって。ワンピースしかないから、困った」
「あー、ズボンですかい？また女の子とは思わぬ服を…」
バツが悪そうな顔をしたクロノに対し、エリってヤツは頬をムスッと膨らませた。
「女の子でも、ズボンは似合う…」
「あ、いやっ…バカにしたわけではないですぜ！ちょいとズボン探してきやすね」
必然的な上目遣いでそう言ったエリに慌ててそう答えて奥の方へと去っていくクロノ。
純粋なのか、機嫌を損ねられたら面倒だからと焦ったのか。
どちらにせよ、アイツも相当なロリコンだと俺は睨んでる。
「…お兄さん…誰？」
「あ？…夢の保護者」
「夢ちゃんの…？」
「そうは見えない」とバッサリ言ったコイツに軽い溜息を吐く。
「お前だってオーバーホールのガキって世間じゃ通ってんだろ？それと似たようなモン。アイツは俺が拾ってきたガキだ」
「拾った……」
寂しそうに俯くそのガキを見て、「救けたい」なんてことは思わなかった。
通常の家庭だったらもしかしたら私情で動いてたかもしれない。
自分勝手とはこういうことだ。
エゴも、偽善もこういうことだ。
夢は助けて
でも、理不尽な世界なのだから仕方がない。
そう言って片付けてしまうのもこういう世界だから仕方ない。
俺がコイツに手を差し伸べたらコイツの中の人生は一気に変わるだろう。
──── でも。
子供を二人も面倒見る気はないし。
オーバーホールに内緒でこのガキを助けたとしても、厄介なことになるのは確かだ。
「いつか誰かが」なんてことは言わない。
それがせめてもの助言と、俺からの助けだ。
残念ながら敵は「Plus Ultra」の精神を持っちゃいないんでね。
「……夢と、仲良くしてやってくれ」
「…え？」
「……んだよ」
「……いえ、その…。よろしく、お願いします」
「ん」
コイツの中で、
俺がヒーローになる必要はない。
夢の中のヒーローでい続けたい。
だから、コイツに助けを与えるのなら。
近い年齢のガキと仲良く遊ばせてやる程度、かな。
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39(プロフ) - 八月葉月さん» 読了お疲れ様でした。そして労いのお言葉ありがとうございます！続編は今日中に形だけでも作ろうと思いますので、次作でもよろしくお願いします！ (2019年10月24日 19時) (
レス) id: c3bcafc4ec (このIDを非表示/違反報告)
八月葉月(プロフ) - ひとまず、お疲れ様でした！続編が楽しみです！ (2019年10月24日 19時) (レス) id: e13aca54b5 (このIDを非表示/違反報告)
39(プロフ) - 悠羽さん» 「さんきゅー。適度にまァ…頑張るわ」「死柄木弔。コメント返信も大事ですが早くお戻りください」「おっと…。そんじゃ、絡んでくれてあんがとさん。これからもこの作品をドウゾよろしく」 (2019年10月23日 23時) (レス) id: c3bcafc4ec (このIDを非表示/違反報告)
悠羽(プロフ) - 39さん» ありがとうございます！これからもほのぼのライフ楽しみにしてますっ("｀д´)ゞ (2019年10月23日 23時) (レス) id: dc20c95a90 (このIDを非表示/違反報告)
39(プロフ) - 悠羽さん» 「夢とお揃いの服…！？……写真撮りたいな」「完全に乗せられてやすぜ死柄木！！(玄)」「写真はやらんが俺の携帯に収める。お前(悠羽さま)写真撮れよ」「(あ、これ完全にアウトなパターンだ)(玄)」 (2019年10月23日 22時) (レス) id: c3bcafc4ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：39 | 作成日時：2019年10月17日 20時
