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81.銀色と引き換えに ページ43

コナンside.


時間がスローモーションの様に流れた。
広大な海と空を背景に
ゆっくりと崖の向こうへ消えていく律さん。

必死に走り伸ばした手は空を切り
綺麗な銀髪に夕日を反射させながら落ちて行く。
そして水しぶきを上げ海に消えた…



______________



灰原side.


私と昴さんは確かに見た…
合流し銃声を聞いて
急いで駆け寄った先に空を舞った銀髪。
喉が千切れんばかりの工藤君の悲鳴…

目を疑った。
限界まで開いた目が閉じられず足が止まる。


哀「律……さん…っ!?」

コ「…っ!灰原!昴さんっ!!」

沖「……っ!!」


彼の行動に迷いは無かったと思う。
真っ直ぐ工藤君の横を通り過ぎ、
躊躇無く飛び込んで行ったのだ。

彼女を…死なせないで…っ、
握り拳を作り二人が落ちて行った先を
見つめる事しか出来ない自分が悔しかった。



______________



律side.


海水に叩き付けられ、勢いよく沈んだ先。
海面近くまで突き出ていた岩に
頭をぶつけ気合で溜め込んでいた
肺の空気を一気に吐き出してしまった。

まだ微妙に明るい水の中で
赤黒い物が上に上がって行くのが見える。
やべぇ、傷いった…
そして水中の恐ろしさと動かない体で
暗い水底へと沈んで行った。
どっちみち泳げても詰んでたかな…

ゆっくりとボヤけていく意識の中
真っ直ぐ自分に向かって来る人影。
激しく揺れるオレンジ色の海面を
バックに見えた姿は沖矢昴の姿をした


『(赤井…さん……)』




______________



赤井side.


銃声を聞いたが落ちていく寸前、
一瞬見えた律に撃たれている様子は無かった。

しかし飛び込んだ先に見えた水中を漂う血。
至る所に見える岩に体をぶつけたか…
…あの馬鹿は何をしているんだ。

やがて見えた目的はまだ意識があり
虚ろな目で俺を見ていた。
割と海面近くで止まっていた体を
早速引き上げるのに腕を伸ばしたが
簡単にはいかない様だ。

彼女の長い髪の毛が荒い岩に絡み付き
簡単には引き上げられそうに無かった。
バイクに乗る為に結っていなかったその髪は
複雑に絡み一筋縄では解けそうにない。

腕の中の彼女はやがて苦しそうに身を捩り始める。
このままでは…

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りん(プロフ) - 私は元々トリップ系とか好きなんですよよく調べたりしたりするので文ストとか今は待ってますし(*´ω`*)アニメはだいたい見てますよ(*´ω`*) (2018年9月18日 2時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
いわし(プロフ) - りんさん» 私も降谷君が今の所勝ってしまいますが赤井さんも捨てがたいのです。゚゚º(゚´ω`゚)º゚゚。笑 (2018年9月18日 2時) (レス) id: 9417f12aeb (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 降谷さん好きなんですよ名探偵コナン中では赤井さんもですが降谷さんが勝ちます(*´ω`*) (2018年9月18日 1時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
いわし(プロフ) - りんさん» ありがとうございます。゚゚º(゚´ω`゚)º゚゚。まさかここまで来られると思ってもなかったです笑/お楽しみ頂けるよう頑張ります!(*^^*) (2018年9月18日 1時) (レス) id: 9417f12aeb (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編おめでとうございます続き楽しみにしてます (2018年9月18日 1時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いわし | 作成日時:2018年9月17日 23時

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