【名探偵コナン】ポアロマスターの代理です。4

72.やっぱりステ振り間違えた ページ18

赤井side.


お互い向き合い｢お願いします。｣と
軽く頭を下げまず武器なしの組み手を始めた。
犯人が向かって来た、という設定で
俺が殴りに…いや、せめて抑え込む形で
律の方へ踏み出す。

まず普通の強盗など一般人に見立て
腕を掴みに入るが簡単に受け流され
逆に腕を取られ捻り上げられる。
これに関しては無駄な動きがなく
綺麗な合気道術だった。

次に偽物のナイフを渡され
襲って来てくれと言われた。
今度は刃物を使い慣れた奴の設定で行こうか。
素人相手だと彼女はきっと問題がない。
そもそも今回の怪我もウェディングドレスが
仇となっただけだろう。

そして予想通りブレの無い蹴りで
ナイフを蹴り飛ばされ鳩尾へ寸止めの拳が。


赤｢お前は動けない状況での立ち回りに
問題があるのだろう。｣

『ですね…。自由に動ければ
体が勝手に動いてくれますから。』

赤｢では…｣


失礼、と俺は律の腕を背後に回し
そこに置かれてあった筋トレ用品の
縄跳びでキツく結び付けた。


『………なんか興奮…』

赤｢するなよ？｣

『はーい。』


今のは聞かなかったことにして再び向き合う。
手を前に拘束されているより
背後に拘束されている方が
重心が取りにくく動きにくい。
さて、この状態でどこまで動けるかだ。


『こりゃ…中々の…んんん…っ！』

赤｢容赦なく行くぞ？｣

『頼んだの私だけど鬼ぃぃぃ！！！
ここが土禁じゃなかったら靴とか飛ばせたのに！』


そうする事で相手に一瞬の隙を負わせる。
いい考えだが律が言った通り
今は畳の上で靴は履いていない。
どうするのか見ものだ。

地面を蹴り腕を振り上げる。
彼女はそれを身を低く屈め交わす。
軸足で回り出したのは俺に足払いをする為だが…


赤｢甘いな。｣


俺はそれをかわし体制を整え素早く踵を落とす。
身を低くしたまま転がり回避した律は
すぐに体制を整え勢いのまま向かってくる。
そして彼女の頭は俺の顎の下で止まった。


『はぁ…っ、チョーパンじゃこのっ！』

赤｢…言い方が世代を感じるな。｣

『その一言が何より私へのダメージです…』


少しの息切れと共にガクッと項垂れる律。
…精神的ダメージに弱い事が新たに分かった。


赤｢俺は特にお前の身体能力に問題は
ないと思うのだが…
ふっ、むしろ異常過ぎて少し怖いぞ？｣

『宇宙人にも勝てますかね？』

赤｢そいつの得体が知れないから分からんな。｣

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