箱詰めされた男達を拾っちゃったんだが【混部】

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「へくしゅんっ」と言うくしゃみが聞こえたその瞬間、全身に鳥肌が立った。このくしゃみ、明らかに男性の声だ。ちょっとカッコいい声だったとか思っちゃいないよ私は((



私は確信した。この中には猫でも犬でもなく、「人間」が入っていると。なんちゅうこった、怖すぎる。と言うか箱の中に人を入れた奴誰だよ頭とち狂ってんだろ。



空気口も無さそうなので、このままでは窒息してしまうだろう。次に思ったのはそれだった。私は恐怖こそ会ったがだからと言って人を見殺しにするほど残忍な心は持ち合わせていない。



私はそのダンボールを持ち上げ…られない。何これ重すぎる。でもよく考えたらあれだよね、中身男性だもんね！！でも1人だけにしては重いような。



……滅茶苦茶太ってるのか筋骨隆々なのかの2択だなこりゃ！！



私はそのダンボールの側面を掴んで引きずるようにしながらも家までそれを運んだ。ドアの前に立つが、私はそこで重大な問題に直撃した。



A「(鍵が取り出せない…！)」



ポケットの中にある鍵が取り出せない。これでは家の中に入れられないじゃあないか。困った。なんとか箱を家の門の前に立て掛けて鍵を開けた。



ドアを開けて、それをドアストッパーで止めて玄関をあけっぴろげにした。そして、ダンボールを玄関の中に入れる。あー、床がビショビショになっちゃうけど仕方ないよね。



玄関のフワッとした温かい空気に包まれながらドアを閉めた。箱云々より先に安心感で思わずその場に座り込む。



5分ほど座り込んだあと、取り敢えずダンボールを居間まで運び込んだ。玄関の幅が足りなかったので途中縦に傾けたりしたが、まあ運び込めたから良いか(雑)。




さて、中の人が窒息死する前に箱を開けなければ。私は徐にペン立てからカッターを取り出す。開けようとしたその時、ふと思った。



この箱の中身は人間。万が一カッターが中の人に刺さったらとんでもないことになるぞ…！やりどころが悪ければ大怪我！



私は一瞬開けるのを躊躇ったが、落ち着いて脳内で「中身の人が窒息死」と「もしかしたら怪我させちゃうかも」を天秤にかけた。



圧倒的に「もしかしたら怪我させちゃうかも」が勝った。死ぬか生きるかだったら生きるを選ぶに決まってんでしょうが。



私は小声で「失礼しま〜す…。」と言ってダンボールにゆっくりとカッターを刺した。

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