【ときメモGS1】手繋ぐの恥ずかしくないもん【氷室零一】

恥ずかしくない！〜23〜 ページ23

氷室side

数学の授業が始まった時、出席をとっていたところ姫条がいないことが分かった。しかし他の生徒に聞いてみれば、彼は今日普通に登校しているそうではないか。



さてはやはりサボりかと呆れ、今日の放課後にでも補習を行うかと思いながらも授業を開始した。しかし、数分後驚くような出来事が起こる。



ガラッと音を立てて教室のドアが開いたのだ。誰だと思って見てみれば、卿莉と姫条ではないか。私は一瞬驚いたが、すぐに気を取り直して姫条を見た。



姫条は気まずそうに目を逸らし、逆にじっとこちらを見る卿莉は肩を少し震わせて怖そうにしていた。別に君を睨んでいるつもりは全く無いんだがな…。



そうこうして、卿莉を半ば強制的に授業補助としてその場にいさせた上で授業を再開した。私の横に立って教科書を真面目に読んでいる卿莉、大変結構である。



取り敢えずキリのいいところまで話したので、問題演習の時間を取ることにした。彼らが本当に理解しているのか確かめなくてはいけない。



ふと横を見ると……ん？卿莉がいない？



どこに行ったと思って周りを見回すと、彼女は姫条の方に歩み寄って何やら話しかけていた。きっと姫条が分からなさそうにしていたから心配になったんだろう。



問題の解き方を教えているのであろう彼女を暫く見ていたのだが…姫条、君…全然話を聞いていないように見えるが？目をボーッとさせて卿莉を見ているように見えるぞ私には。



しかしそろそろ問題演習の時間も終わる。姫条が本当に卿莉の話を聞いていたのか、そして卿莉が数学を教える力をどの程度持っているのか、今分かる。



問題演習の時間が終わってすぐ、私は早速最初の問題を姫条に答えさせることにした。

恥ずかしくない！〜24〜→←恥ずかしくない！〜22〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す