箱詰めされた男達を拾っちゃったんだが【混部】2

拾われた27 ページ26

ゴールドエクスペリエンスは徐にカメラを手に取ったかと思うと、そのカメラに保存していた映像を見せ始めた。



画面端に書かれている時間から朝のことであったと察する。誰もいない教室でAさんが鞄の中から教科書等を出していたのだが、表紙がボロボロだ。



承太郎「この教科書…痕跡を見るにカッターか何かでズタズタにされた可能性が高いぜ…。」

仗助「表紙にペンで死ねって書いてある…酷すぎるぜ…。」



すると、教室のドアが開いて、カメラもそちらに移動した。そこにはクラスメイトらしき男が映っていた。



その男はAさんの存在に気付き、「は？お前来てたのかよ」などど言った挙句にAさんの頭を拳で軽く殴っていた。



Aさんは「いった…。」と言って頭を押さえていたが相手はそんなこと気にすることなく「うるせぇよ、こっちは朝からお前の顔見てイラついてんだよ」と理不尽な言葉を浴びせてさっさと席に着いてしまった。



その後の映像を見ていてもすれ違いざまに悪口を言われて笑われていたり、少し離れた隙に教科書に傷を付けられていたり、非常に酷であった。



極め付けは放課後の映像だ。念のためボイスレコーダーにも音声を入れているらしが、映像もあった方が良いだろうと思い、なんだか申し訳ない気分ではありながらもカメラで映像を撮ったらしい。



校舎裏に無理矢理連れて行かれた後、罵詈雑言を浴びせられたりバケツの水を思いっきりかけられていたり、しまいには暴力までされている。



ゴールドエクスペリエンスが怒りを感じているのか映像が小刻みに震えている上に、カメラがミシミシ言う音もバッチリ入っていた。



兎に角映像を見終わった僕達はとても憤っていた。まさかAさんが学校でいじめられていたなんて。全く気付かなかった。



ジョセフ「俺はコイツらを許さねぇ、報復してやるぜ」

仗助「奇遇だなジョセフ、俺もそう思ってたところだぜ…！」

ジョナサン「い、一回待とう！？僕も今凄く腹が立っているしこの人達を許す事は出来ないけど感情に任せて行動したらそれこそAに迷惑をかけちゃうかもしれないし…。」



そう言うジョナサンの言葉には説得力があり、ジョセフ達は気まずそうな顔をして黙り込んだ。

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