歌なんて大嫌い (ページ6)

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4話ページ6

当たりが暗くなり始めた頃ヴァンパイアたちは動き出す

主(Aランク任務……場所…新宿駅……)
(単独……？そ…れとも……複数……？？)

ビルの合間を縫うように駆け抜ける
素早く、軽やかに、羽が生えた様に

しろのは生まれつき身体能力が高く、新宿駅まで走り続ける事など朝飯前なのだ

主(聞…こえる……数は…3人か…)

物陰に隠れ様子をみる
3人の男が言い争っている

「おい！どうすんだよ！！」
「どうするも何も逃げるしかないだろ！！くっそ！！」
「逃げるたってどこに！？」

主(……？)

耳をすませて聞いてみると何が焦っている様子だった

主(ど…うゆう事だ……音を聴く限り……ハンターに…狙われてるから焦っ……ているわけ…じゃなさそうだ…し……)
(もっと……こう…なにか別……のものか…ら……??)

ハンターに狙われてることに気づいたと言うよりもっと別のこと例えばハンターより恐ろしいもの……

主(違う……あの3人……"若すぎる"…)

ザシュｯ

と音が聴こえた瞬間たちこめる血の匂いに思わず顔をしかめるが、相変わらず無表情である

主(あの3人……は違う…Aランク……は他…にいる…)

左手につけたリングに触れる
すると銀のリングはたちまち剣に姿を変え

主(くる……)

しろのは後ろに跳び剣を右手で構える
次の瞬間目の前にヴァンパイアが現れ、鋭きつめで引き裂こうと手を振りかざしてくる

「さぁ！私の血肉となりなさい！！」

主(遅い……)

迫り来る鋭い爪をヒラリと舞うように避ける

「！？」

一瞬

敵は避けられると思ってもみなかったらしく、一瞬だけ動きが止まる

その一瞬で勝負は決まる

ザシュｯｯ

首を切り手足を切り落とされ、結晶化した心臓はしろのの手の中にある

「なぜだ……私は！300年のときを生きるヴァンパイアなのだぞ！？こんなガキに負けるなどありえない！！！」

主「……」
(サヨナラ……)

手に持っている心臓をしろのは砕く
ヴァンパイアは赤い光となり消えていった

ｽﾞｷｯｽﾞｷｯｽﾞｷｯ

主(……)

しろのはその場を離れ家に帰った

？？？(あの子は……)

他の誰かに見られていることに気づかないほど

ｺﾜﾚｶｹﾃｲﾀ